野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

最高にやかましくてダーティ

日曜日にAmazonビデオで「ヘルタースケルター」を観た。

ヘルタースケルター スペシャル・プライス [DVD]

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整形の後遺症で苦しむ話って他にもなかったかな。小説の「モンスター」以外に。何というかもう、タイトル通りしっちゃかめっちゃか。とりあえず検事役の大森南朋、もうちょっとちゃんと喋らんかい。セリフがちーとも聞き取れんぞ。そのわりにはやたら芝居がかったモノの言い方(って芝居なんだけど)だし。まあその辺は全体にそんな感じで、なんでこんなベタな演出なの?とちょっと訝しく思うぐらい。
追い込まれ(というか自分で追い込んでるんだけど)、破滅に向かってまっしぐらのヒロイン、というこの感じは何となく「ローズ」を連想したけど、なんか全体にどぎついのよな。あ、そう言えば終盤でヒロインりりこがいよいよ壊れていき、ラリってテレビ番組の途中でやらかしてしまうシーン。BGMがベートーヴェン第9番の「歓喜の歌」っていうのは何だか、「ノスタルジア」でドメニコが焼身自殺をするという衝撃的なクライマックスシーンを思い出して、なかなかヘルタースケルター感が出た気がする。そうそうBGMと言えば戸川純の「蛹化(むし)の女」をさらっと使ってるのはポイント高いな。
というわけで、一言でいうならばちょっと微妙な映画。まあ最後まで寝ずに観られたけど。これはきっと原作が素晴らしいはず。そんな予感がする。でもKindle版が無いのが残念。漫画はかさばるから、できるだけKindleにしたいのよねー。