野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

スウェーデンにも公安警察があるのですね

ミレニアム2 火と戯れる女」が、おいおいそんなところで終わるのかよ、という感じのラストだったのでしかたなく、いや、そのまま勢いに乗って「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」になだれ込んだ。

今度はいよいよ公安警察まで出てきて、もう社会派サスペンスになってきた。公安警察とその中に極秘に作られた「班」、普通の警察、チンピラ、そしてリスベット・サランデルと愉快な仲間たちが入り乱れて諜報とハッキングと謀略とバイオレンスがてんこ盛りで、もう何が何だか。
そしてこの小説のもうひとつのテーマは、「闘う女」だ。国家規模の陰謀と闘うリスベット・サランデル、大手新聞社の編集長として引き抜かれ、ストーカー被害に遭うエリカ・ベルジェ、筋トレオタクの公安警察官モニカ・フィグエローラ、同僚のアホな男に邪魔ばかりされる警察官のソーニャ・ムーディグ、ミカエル・ブルムクヴィストの妹で弁護士のアニカ・ジャンニーニ。みなさん苦労なさってます。シリーズ1作目で訴えられていたように、スウェーデンの社会において女性は何かと不当な扱いを受けているのですな。

どうでも良いことだけれども、この小説ではPalm社のTungsten T5が大活躍だ。うわーPDAて、なつかしー!携帯電話とBluetoothテザリングして、ダイヤルアップでインターネット接続って… まあ今ならスマホだよな。時代を感じます。ちなみにわたくし、HandspringのVisorを使ってました。Palmは高かったので。あれも結局は電池切れで、どっかの引き出しに放り込まれたままだなぁ。