野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

14品なんてまず無理ですけどね

一人分の料理を作るのは難しい。必ずと言って良いほど量を作りすぎてしまう。一回で食べきれないので、ある程度保存のきくものを作り、複数回に分けて食べるようにしている。しかし毎回おなじものばかり食べ続けるのもしんどい。だからおなじ食材でも違う料理を作ったりして、複数の料理の組み合わせで変化が出るようにしたい。などとちまちまやっているうちに、週末にまとめて作り置きをするようになってしまった。翌週の予定に合わせて、少なければ2品、多い時は6品程度の料理をする。平日の家での食事はこれがベースになり、レンジで温め直すだけ、あるいは場合によってはさらに1品追加で料理したりしている。レシピについては、ネットで検索し、クックパッドなどを参考にしながら適当にやっている。だから上手くいく時もあれば、とても残念なシロモノが出来上がる時もある。
さてこの、時間のある時にまとめて料理し、作り置きを平日に少しずつ消費するという「作り置き」スタイルを徹底し、より早く、より安価に出来るようにするためには、というのを追究したのが「つくおき」というサイトだ。単独のレシピだけでなく、一週間分の作り置きレポートまで載っている。
中の人はnozomiさんという、平日にフルタイムで働きに出ている主婦なのだそうだ。
なんとこのコンテンツがそのまま「つくおき」というレシピ本になってしまった。で最近この本をさるお方にいただいたんである。

つくおき 週末まとめて作り置きレシピ (美人時間ブック)

つくおき 週末まとめて作り置きレシピ (美人時間ブック)

「つくおき」は単なるレシピ本ではない。揃えるべき調味料、保存容器、買い物の心得、そして実際に作り置きをする際のタイムライン。などが紹介されている。それも、比較的短時間で少なめの品数の場合、メインおかず多めで時間をかけてがっつりやる場合、などいくつかのバリエーションがある。スケーラビリティがあるのだ。実は著者のnozomiさんの職業はSEであるらしい。なるほど、と思った。組み込みソフトウェアの設計と料理はよく似ている。特に待ち時間の多いハードウェア制御が絡む場合は、とにかくCPUのリソースを効率的に使うため、応答時間を保証しながら複数のタスクを同時に実行するためのスケジューリングが死活的に重要だ。例えばメモリからの動画データの読み出しと、MPEGデコードと、デコード済みデータのフレームメモリへの書き出しをしながら、非同期に入ってくるユーザ入力を受ける、なんていうのは、煮物と揚げ物を作りながら、次に使う材料を包丁で切る、みたいなものだ。
まーでも一般的にSEって言ったらいわゆるエンタープライズ系で組み込みはやりませんですかね。すんません適当なこと言いました。
ちなみにわたくしの場合、こうやって事前にきっちりと計画を立ててシステマティックに物事を進めていくというのがどうも苦手なので、この本を読んでおーすごい、と感心し、写真を見て美味そうだな、とヨダレをたらしながら一応は何を作りたいかメモはするものの、いざ買い出しに行ったらメモを家に忘れてきたことに気づき、結局はスーパーの店頭で気分の赴くままに適当な買い物をし、料理をする段になればビールを飲みながらダラダラ作り、途中でうわあアレを買っとくのを忘れた、あるいは作ってしまってから、ああせっかくコレを買っていたのに入れるのを忘れた、てなことになるというのがいつものパターンですよ悪かったね。