北大路公子大先生の『ぐうたら旅日記 』が文庫化された。残念ながらKindle化はされていない。日本で購入してアメリカまで持ってきてくれ、と妻に依頼しようとしたら、買ったから持っていく、と先に連絡が来た。こいつは一本取られた。
- 作者: 北大路公子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2016/07/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
レヴィ=ストロースは『悲しき熱帯』の冒頭で「私は旅や探検家が嫌いだ。それなのに、いま私はこうして自分の探検旅行のことを語ろうとしている」と書いた。我らがケメ子先生は、「旅は嫌いだ。行き先決めるのも面倒だし、移動手段を考えるのも面倒だし、宿を手配するのも面倒だし、日程調整するのも面倒だし、荷造りするのも面倒だし、会ったばかりの旅館の旅館の人から「ご飯にしますか、お風呂にしますか」と昭和の新妻みたいなことを聞かれるのも面倒だし、あとなんだ、とにかく面倒だ」と書いている。それなのに、毎年こうして積丹までウニを食べに行ったことを語ろうとしている。
第1部は恐山と知床、第2部になぜか昔mixiに投稿したという三題噺が5編(水増し?いや別に面白いから良いんだけど)、そして第3部が積丹でのウニツアー。いいなあウニ。というかほんとケメ子先生、ウニとかカニとかジンギスカンとか食べてばっかり。そして朝から晩までおビール飲んでばっかり。とにかくケメ子先生が面倒くさがるあれこれを全てクリアし、お膳立てして恐山やら積丹まで連れて行ってくれる人がいるっていうのもすごいし、同行してるのがまたこう、揃いも揃ってちょっと(いやかなり)ダメな感じの人たちだったりするのだけど、一体どこまで本当の話なんだろう。そして、ただひたすら酒飲んであれこれ食べてダラダラしてるだけなのに、なんでこんなネタまみれで面白いんだろう。
あーそれにしてもウニ食べたいなあウニ。