池井戸潤の『鉄の骨』、600ページ以上のぶっとい長編だが、シアトル ー 成田のフライト中に一気読みだ。
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/11/15
- メディア: 文庫
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大学を出て中堅ゼネコンに就職し、現場で3年ほど働いた後で本社の「業務課」に異動になった平太、が主役。この業務課というのが談合における渉外を担当するわけですな。いや、建前上そんなことはやってないことになっているのだけどもそこはそれ、今さらおぼこ娘でもあるまいに、てなもんで。んでこういうお題ですからお話には銀行(おなじみ白水銀行)やら検察やらも絡んでくるわけで。
談合のフィクサーが三橋という爺さん。これがまた何だかゴッドファーザーみたいな爺さんで、イメージ的にはマーロン・ブランドのビトー・コルレオーネだが、役としては「これからの時代、談合なんぞやっとったらアカン」と、まるでカタギに戻りたいと言い出すアル・パチーノのマイケル・コルレオーネ。
話の全体としてはいつも通り「正義は必ず勝つ!」みたいなカタルシスを感じるようになっていながらも、さらにもう半ひねりぐらいが入っているという。いやーうまいもんですな。
しかしみんなよく働くなあ。長時間労働もほどほどにしとかんと、過労死しますぜ。談合よりそっちの方が問題だろ。