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野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ところで俺様の年金はどうしてくれるんだ?

読書

『おばあさんの魂』によれば、今や「大おばあさん時代」なのである、という。日本は世界でもトップレベルの高齢化社会であるわけだが、日本人女性の平均寿命は男性よりも7年ほど長く、また夫の方が年上であるケースが多い、したがって生き残ったおばあさんが世に溢れるのだ、と。なるほど。なんだかちょっとどこかを誤魔化されたような気がしないでもないが、まあ良いとしよう。

おばあさんの魂 (幻冬舎文庫)

おばあさんの魂 (幻冬舎文庫)

単に「おばあさん」と言ったときに、多くの人がイメージするステレオタイプなおばあさん像というのは、わりと可愛らしいものであるが、現実はそうではないはずだ、と著者の酒井さんは指摘する。うむ、そりゃそうだ。憎たらしいババアなんてのは実際いくらでもいる。それだけではない、昨今は結婚しないという選択肢がそんなに珍しくもなく、また地域共同体との関係も希薄なまま年をとったおばあさんというのは、一体どのようなものか?またそのようなおばあさんが少なくない割合を占めるおばあさん社会とは、いかなるものか?そのような問いを酒井さんは立てるわけである。なるほど、『負け犬の遠吠え』の射程をさらに広げた論考であるわけだな。なんだかすごいぞ、「すでに起こった未来」みたいな話か?(違うって)
酒井さんの身内である三人のおばあさん、の話から始まって、世の様々なおばあさんについて次々と分析していく。料理系おばあさん、いじわるばあさん、庭系おばあさん、かしずかれるおばあさん、旅をするおばあさん、アートのおばあさん…
なるほど、一言におばあさんと言っても、実にいろんなバリエーションがあるものだ。
そして最後にまた酒井さんの実の祖母・綾子さん101歳に話は戻って来る。いやはやまことに。
知識労働者は75歳ぐらいまでは働ける、とドラッカーは言った。ちなみに、2010年の2月に放映された金曜特別ロードショー『ルパン三世 the Last Job』に峰不二子役で出演された声優の増山江威子さんは、満73歳でいらっしゃった、ということをここに付け加えておこう。どうでも良い話だが。