実は先日の『問題は英国ではない、EUなのだ』と併せて『グローバリズム以後』も買っていたのですよ。
これまたエマニュエル・トッドへのインタビュー(こちらは短めのものが多い)を集めたものだが、まあだいたいトッドの主張するところはそう大きくは変わらない。というかそう簡単にころころ変えてもらったらちょっと信用できないわけだけども。
グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命 (朝日新書)
- 作者: エマニュエル・トッド
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2016/10/13
- メディア: Kindle版
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とはいうものの、彼の主張する「日本も核武装を検討するべきだ」というのにはどうにも賛同しかねる。いやそりゃ「検討」だけならまだ良いのかもしれないけど。もともと「抑止力としての核兵器」なんて話は、各国の指導者がある一定以上の判断力と知性を持っている(最低でも正気を保っている)っていうのが前提じゃないですか。しかるにアメリカでは来年から不動産屋くずれのキ○ガイが核ミサイルのボタンを持つことになるしフランスだって相当危なっかしいし、そんな中で日本なんかもうすでに、あんな感じだし。
そもそも「民主主義は責任感のあるエリートを必要としている」なんて言ってて、そこはまったくその通りだと思うけれども、その「責任感のあるエリート」ってのがいなくなってきてるからあんなことやこんなことになってきてるんでしょ、と言いたい。そんな状況で日本が核武装なんてあーた。もっとも、この議論は時期尚早だ、とトッド自身も言ってるけどね。アメリカの大統領選が終わった現時点で、あんた今でもやっぱり同じこと言うのかよ、とちょっと問い詰めてみたい気もするな。
「白人がちょっと変わったことを言ってるからってぐらいのことでトッドごときをありがたがってどうするんだ」てなことをおっしゃる向きもあるが、それでもわたくしはまだ彼の思想に興味がある。新書で読める彼の著作はひととおりカバーしたはずだ。いよいよ単行本に手をだす時がきたのかもしれない。まずは「帝国以後」あたりからか。どきどき。