野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ペッパー保安官よ!

飽きもせず牛スネどて焼きを作る。うむ、良い出来だ。明日はこれで焼酎でも飲もう。こんにゃく全部を入れると多いので半分は適当に油揚げと一緒に醤油味で炊いてみたんだが、何か良い料理法がないもんだろうか。炊き込みご飯、というのもちょっと考えなくはなかったのだが、大量に残る鶏肉の使い途について考えるのも面倒なのでやめといた。

さて、007祭りは続く。Amazonビデオのプライム特典からもうすぐ消えると脅されているから、がんばって観なければならないのだ。ということで、シリーズ中最もアホ度が高いと言われている『黄金銃を持つ男』を選んでみた。

うーむ、まあ確かにアホだなこりゃ。しかしちょっと中途半端。個人的には『007は二度死ぬ』の方がアホ度が高い気がするんだけどもな。とはいうものの、謎の殺し屋スカラマンガの部屋に跳び箱とか鞍馬が置いてあるのは意味不明だし、スカラマンガのクライアントであるハイ・ファットの豪邸には相撲取りが常駐しているのだけどこいつらがまた弱い。お前らスモウ・レスラーを舐めてるだろ。いちど筒井康隆の『走る取的』(『将軍が目醒めた時』所収)を読んでみろよ。
将軍が目醒めた時 (1976年) (新潮文庫)

将軍が目醒めた時 (1976年) (新潮文庫)

「スカラマンガの外見的な特徴は不明であるが、第3の乳首を持っている」という情報を元に、偽の乳首をつけてスカラマンガになりすましてハイ・ファット邸に入り込む。夕食でもどうかねなんて誘われて、うまいこと騙してやったぜなんてドヤ顏で戻ってきたけど、実はボンドのなりすましなんて先刻お見通しだ。あらためて訪問したハイ・ファット邸で襲いかかって来たスモウ・レスラーの攻撃はケツを掴んでかわしたものの、結局は後ろから殴られて、そのまま拘束される。やっぱり本作でも諜報員としての能力には疑問を抱かざるを得ない。まあ、ロクに任務をこなせないのかこの役立たずめ、てな感じでMにも叱責されてたけども。でボンド君の助手グッドナイト嬢ってのがまた輪をかけてスカタンなわけで。スカラマンガのアジトに侵入したのは良いけど、4ケルビン(-269℃)をキープしなければならない液体ヘリウム槽に人を放り込んだもんだから、ボンド君に「そんなことしたら爆発するやんけ」と叱られて、いやでもなんでボンド君そんなこと知ってんの?ていうかなんでそれで爆発するの?そもそもそんなことで爆発するんなら液体ヘリウム槽が「どうぞ飛び込んでください」って感じでがばっとオープンになってるのおかしくないか?その一方で「液体ヘリウム槽 絶対零度に保つこと」っていう貼り紙(液体ヘリウム温度は絶対零度じゃないだろ、っていうツッコミはとりあえずここでは遠慮しておく)はやはり「お前ら絶対に押すなよ!」と読み換えるべきなのだろうか。あと、グッドナイト嬢のケツで何かのスイッチを押してしまい発電機(?)のシステムが制御不能になってしまったときも、それをリカバーするのに「何でも良いからボタン押せ!」ってさ、それ一番やったらアカンことでしょうがボンド君。
…ここまで書いてきてあらためて考えてみると、やっぱり相当なバカ映画だなこれ。