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野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

新春の異端審問

音楽

ついに新年が明けてしまいましたですね。
いや結構なことです。おめでとうございます。
昨年の元旦と同様に今年も雪は降らず、ありがたいことで。ここ数年恒例となっている通り、早朝に初詣に行くわけです。

鳥戦(ちょうせん)ってなんかヤケクソっぽいな…
例年より少しだけ人が多いような気がするけど、まあとにかく、そんな感じで。

帰宅後に、生協で買ったというおせちなどと一緒におささも少々(?)いただくわけでございます。日置桜の純米ですけどね。
あとはもう、特にこれといった用事もないのでだらだらと。
本を読んだりうとうとしたり、ベートーヴェンピアノソナタを聴いたり。そう、バックハウスベートーヴェンピアノソナタ全集を昨年の暮れに入手したのですよ。タワレコオンラインで4千円台前半まで値下がりしていて、そこに12月大感謝クーポン600円も使えたので、4千円を切る値段で。

Original Masters  Decca Beethoven Sonatas: Wilhelm Backhaus

Original Masters Decca Beethoven Sonatas: Wilhelm Backhaus

ピアノソナタグールドの弾いているものはほぼコンプリートしているが、これとて全部で32あるうちの20をカバーしているに過ぎない。そして、グールドはどうも変態なので「新約聖書」の解釈としてはやはり異端、と言わざるを得ない。では、1番から32番まで耳を揃えて演奏している正統派は誰か、となるとやはりバックハウスだろうということになる。ケンプあたりも人気だが、少なくともいわゆる「三大ソナタ」、すなわち8番、14番、23番を聴いた限りにおいては、どうもわたくしの好みではない。なんだかずっと力が入ってる感じで、聴いてて疲れるし、全体的な印象として「もっさい」のだな。というわけでバックハウス。17番、21番、26番はすでに聴いたことがあって、なかなか良い感じだったし。まあ値段が手頃だったってのが大きいけど。
やはり結構でございますね。実直だけどもほどよく華麗で、品もあって。29番ハンマークラヴィーアはポリーニ版だけ聴いたことがあったのだけど、これがまたずいぶん違っていてちょっと驚いたり。
1番から順番に聴いていくと、構築的ながらもシンプルだったものが、徐々に複雑にして壮麗になっていき、29番ハンマークラヴィーアの大伽藍にまで発展する。そして32番までいくともう、この世のものではないとさえ感じられる、そんな様子を追っていくのも面白い。
ただし「天国的」と評される32番(と30番、31番)については、グールドの方がより「天国度」が高いように感じられる。いやもちろんバックハウス版も素晴らしいですよ。でもこういうのはやっぱり、ちょっとイッちゃってるグールドのほうが有利(?)なのかも。よう知らんけど。お前は何を言っているんだ、と思われるかもしれんが、なんとなく。
という感じで、良い正月でございました。