野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

相変わらずてんこ盛りですなあ

さてたまには内田せんせの本も読んでおこう。
てことで新書になった『街場の共同体論』。

潮新書 街場の共同体論

潮新書 街場の共同体論

共同体を維持していくには、その中にだいたい15%ぐらいの「大人」が必要である、というのが内田せんせの説だ。ゆっくりと崩壊していく日本においては、この「大人」比率が今では7%ほどに低下しているというのが、内田せんせの見立てだ。かなり危ないのだ。
そういえばエリートの劣化とか怠慢とか責任感の欠如、みたいなことをマサルちゃんやトッドはんも指摘していたなあ。
もちろんこの「大人」比率の話は、エリート層に限ったことではないと思うけどもね。
でもここで「戦後の教育が悪かったのだ!」とか「道徳・愛国教育が必要だ」とか言って教育勅語を暗唱させるとかいう頭の悪いことをしてはいけない。そういう話ではないのだ。
家父長制度の崩壊とか、家族の崩壊(核家族化)てのはそれこそトッドも扱っているお題で、彼の言説とこの本の内容がどう整合するのか(あるいはしないのか)、その辺ちょいとじっくり考えてみた方が良い気がするのだなあ。