野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

アマンダ大活躍

ちょっと軽いものが読みたいな、ということで『あなたは、誰かの大切な人』。

帯に書いてある文によると、疲れた心に効く、らしい。いやまあ、別にそんな疲れてる訳じゃないですけどね。
大人の女性が主役で、特に親との関係にまつわるちょっと面倒な話を集めた短編集。なんて言い方はちょっと見も蓋も無さすぎるか。
ここで大人の女性、てのは具体的にはだいたい50歳前後。要は「おばはん」ちゃうんか、てなことをおっしゃる向きもあろうが、まあ何というか現金なもので、まさに50のおっさんであるわたくしにとってはもう、さほどおばはんな感じはしないのだな。で、それくらいの歳なら、そりゃまああれこれ面倒なことのひとつやふたつはあったでしょうね、てなもんだ。ただそれで彼女らはすっかり疲れ切ってしまって… というわけではなく、わりと前向きに、希望を捨てずに生きているわけですね。そういうあたりを以て、疲れた心に効くと謳っているだろう。知らんけど。
単に心温まるエエ話、ていうのとはちょっと違う。これたぶん、女性の方がより「効く」んじゃないかと思う。
わたくしの場合は、読みながら頭に浮かぶこと、感じることについて、ちょっと突き放して観察してみると、何となくそこには、自身の内なるミソジニーみたいなものが感じ取られて、ちょっと複雑な気持ちになったことだった。