野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

これってサバイバル?

英文では、butの後ろにその文の主張が来る。だから、butに注目すれば簡単にその主張を把握でき、効率的に英文を読むことができる。
なんていう説がまかり通っているが、実際に一定以上の知的レベルのネイティヴが書く英文なんてのはそんな原則に当てはまらない文章を普通に書いてるから、そんなの真に受けたら英文なんて読めませんぜ。
え、そうなんですか?
いえね、書店で見かけて何となく買ってしまった(kindleでだけど)『サバイバル英文読解』て本に書いてあったんですけどね。

そもそも、butの後に主張云々てな説は、わたくし恥ずかしながら知りませんでしたよ。
知らなかったけど、基本的には何かを否定する文があるからその後が主張である可能性が高い、butは明示的には出てくるとは限らない(むしろ出てこないのが普通)、butのかわりにindeed、rather、insteadがよく使われる。てなことが書かれていて、はぁそうでっか、と思いつつ例文を読んでみると、おお確かに!ってこれはまあ、そういう例文ばかり集めているから当たり前なのだけど。
でこの例文、一部にドラッカーの著作やクリントン(ビルとヒラリー両方!)の発言、あるいは英字新聞なんかから取ってきたものもあるのだけど、多くは大学の入試問題。いやまあ別にそれで良いんだけど、『英文標準問題精講』(いわゆる「原の英標」ってやつね)みたいな格調高いものを勝手に期待すると、それはちょっと違う、てなことになる。
それでも、英文を読むコツとして、初めて聞くような話ばかりでなかなか面白いし、役に立ちそうな気もする。それこそ、「原の英標」で、この本に解説されている手法の妥当性を検証してみるのも面白いんじゃなかろうか。