野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

シカオくんES-335弾くのかね

まもなくWOWOWで連続ドラマ『プラージュ』が始まると。スガシカオが役者として出演、てことで注目しているわけですが、だいぶ前から誉田哲也さんによる原作が書店で平積みになってますな。

プラージュ (幻冬舎文庫)

プラージュ (幻冬舎文庫)

ちょっとヘボい感じの若者・貴生くん(ドラマでは星野源ちゃんね)が、ふとしたはずみで覚醒剤で逮捕されてしまい、執行猶予だけども仕事をクビになり、おまけに家が火事になって焼け出され、と散々な目に遭ってたどり着いたのが「プラージュ」というシェアハウス。そこの住民てのがまた、揃いも揃ってワケありな感じで… てな話なわけですが。
姫川シリーズやジウシリーズみたいにやたらグロいわけでなく、また武士道シリーズみたいなサワヤカなお話でもなく、これまたちょっといつもと違う路線ですか。といいつも、実はちょっとだけグロいとこあるけど。誉田さんてどうしてもやめられへんのかね、こういうの。
誉田哲也作品にはありとあらゆる種類の犯罪者が登場するわけだが、この「前科者」に対する社会の視線とか関わり方、みたいなものに丸ごと一冊フォーカスしている、という点でもちょっと珍しい。
カタギの人たちだって、何かの拍子に「前科者」になってしまうことがある。貴生くんみたいなうっかり八兵衛も「前科者」になると、前科十数犯のハードコア凶悪犯罪者と同じような扱いを受けるんだぜ、というお話。
終盤にはおっとそう来ましたか的な展開もあり、そのネタをすでに知ってしまっているのだが、それでもなお、ドラマも楽しみでございますな。