野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ドリルを所有する喜び、てのも考えてみてほしいんだ。

訳あって『ホワイトスペース戦略: ビジネスの<空白>を狙え』なんて本を読んだ。

ホワイトスペース戦略 ビジネスモデルの<空白>をねらえ

ホワイトスペース戦略 ビジネスモデルの<空白>をねらえ

  • 作者: マーク・ジョンソン,Mark W. Johnson,池村千秋
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2011/03/29
  • メディア: 単行本
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ホワイトスペースって何だ、ブルーオーシャンのお友だちか?と思ったらそうではなくて、「その企業の既存のビジネスモデルが活動の対象としていない領域」「コアスペースと隣接スペースの外にあり、新しいビジネスモデルを確立しないと生かせない領域」のことを指している。昔なら、そんな無理なことやめとけや、てな話だと思うのだけど、今はそんなこと言うてられしませんの。
んで、この「ビジネスモデルを変える」というのがポイントで、つまりこれはいわゆるところのビジネスモデル・イノベーションについての本なのですな。
で、この「ビジネスモデル」て単語。1990年代の終わりぐらいからバズり始めたんじゃないかなと思うけど、それっていったい何なのよ?と問われると、なんだかわかったようなわからないような。その分いろんな本も出ていて、中でも『ビジネスモデル・ジェネレーション』あたりは有名ですわね(読んでないけど)。あの本ではビジネスモデルキャンバスというフレームを提唱しているわけだが、本書で「四つの箱」とか言ってるのは、いわばあのビジネスモデルキャンバスを少しシンプルにした感じでしょうか。
「四つの箱」のそれぞれに対応するビジネスモデルキャンバスの項目としては、
「利益方程式」はRevenue StreamとCost Structureで、「主要経営資源」がKey ResourceにKey Partner、「主要業務プロセス」はKey ProcessとKey Activity、かな。重要な要素として両方にあるのが顧客価値提案=Value Proposition、そりゃまあこれがないと話になりませんわな。ビジネスモデルキャンバスのCustomer Relationship 、Channel、Customer Segment、についてはばっさり無視されているけど、顧客価値提案に含まれている、と考えられなくもないな。
ビジネスモデルキャンバスでRevenue StreamとCost Structureと呼んでいたものを「利益方程式」に入れたのはわかりやすい。というかここの設計がかなり大事、というのが腑に落ちた気がする。これは「主要業務プロセス」とも関わってくるし、この部分をいじるのは大ごとよね。だからジェフリー・ムーアは、コンプレックス・システムとボリューム・オペレーションのビジネスは混ぜるな危険、といったわけで。
たまにはこの手の本も読まんとあきまへんなぁ。