サダム・フセイン政権は大量破壊兵器を隠し持っている、といって始まったイラク戦争は、どうもガセだったみたいです、どうもさーせん、てなことになってしまった。ガセネタを流したのは誰か。
- 作者: ティムワイナー,Tim Weiner,藤田博司,山田侑平,佐藤信行
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/08/04
- メディア: 文庫
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CIA創設からの60年の歴史を紐解いてみると、世界各地で相当に手荒なことをやってきたようだが、その内容といえば杜撰な計画とお粗末な兵站による秘密工作の失敗、報告の隠蔽と偽造に満ちあふれているようだ。
とにかくCIAの秘密工作のほとんどが失敗であり、まったく役に立っていない、とボロカスに書かれている。が、A級戦犯の岸信介に金を与えて裏から操り、首相にまでして属国日本に対して好き放題やるてのは、ずいぶん上手いこといってるように見えるんですけどね?
アメリカでは、公文書が機密扱いを受けていても、一定の期間を経過した後は、請求すれば公開されるらしい。本書はその膨大な資料とインタビューをもとにして書かれている。600ページを超える文庫版の上巻のうち、200ページ近くが「筆者によるソースノート」になっている。ほとんど偏執狂的といっても良いぐらいだ。かなり疲れる。が、なかなか面白い。上巻はトルーマン、アイゼンハワーからケネディ、ジョンソン時代の途中まで。キューバ危機とケネディ暗殺あたりがとりあえずクライマックスですな。