野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

チェコのシュニッツェルは豚肉が主流だそうです

プラハの憂鬱』が文庫化されて『亡命者の古書店』になった。

亡命者の古書店: 続・私のイギリス物語 (新潮文庫)

亡命者の古書店: 続・私のイギリス物語 (新潮文庫)

 

以前に読んだ『紳士協定』の続編で、外務省から英国陸軍語学学校に派遣され、ロシア語の研修中の話だ。古書店を営む亡命チェコ人と知り合い、「講義」を受けるようになるわけだが、その会話というのがもう、そんなの本当に英語でできるのかよと言いたくなるような内容だ。いや日本語でもちょっと無理ちゃうんか、と思うぐらいに。そもそも外務省に入ったのが、チェコスロバキアに留学してチェコ語を勉強し、フロマートカの神学の研究をしたいから。というのが、何じゃそれはという感じだし。やっぱりちょっとこの人は何考えてるのかわからん、というか考えてることを説明してくれているのだけどわたくしのような凡人の理解の範囲を超えている。だけどなぜか面白い。不思議な本だ。
あと解説にも書かれているのだけど、やたら食事に関する描写が細かい(この本に限らないけど)。それがまた妙に魅力的だったりする。ハムで生クリームとホースラディッシュを包んで食べると、ビールにとてもよく合って美味しいのだそうだ。シュニッツェルも良いですな。それにしてもグラーシュって何なんだ。