表紙にどどんとエマニュエル・トッドの写真が出ていて、『世界の未来』なんていうタイトルがついていると、「お、トッドの新刊が出たな」なんて言ってついうっかり手を出してしまうお調子者が世の中にはけっこういるんだと思う。自慢じゃないがそのうちの一人はこの俺様だ。
世界の未来 ギャンブル化する民主主義、帝国化する資本 (朝日新書)
- 作者: エマニュエル・トッド,ピエール・ロザンヴァロン,ヴォルフガング・シュトレーク,ジェームズ・ホリフィールド
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2018/02/13
- メディア: 新書
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トッドの講演は、2016年のアメリカ大統領選の少し前、誰もが、起こり得ないこと、あまり趣味の良くないシャレとしてしかそれについて語らなかった時に、十分に可能性のあること
、あるいは歴史の必然として「トランプ大統領」について論じていたものだ。
まああまりトッドを予言者のごとく持ち上げるのもどうかと思うが… すごいですね。まったく、「4私たちはどこに行くのか」という感じだ。
その他の3人の話もなかなか面白かったのですよ。
特にピエール・ロザンヴァロンの民主主義とポピュリズムに関する話とかね。行政権力が政治の中心を占めるようになるにしたがい、選挙によって選ばれた権力は、一般意思を代表する能力を減じていったという指摘とか。選挙の結果は権力を正当化するのか?という疑問も含め、ちょっと最近なんだかモヤモヤしていたものにヒントを与えてくれる気がするのよね。
また騙されてしまった(騙してないって)けど、まあ面白かったからよしとしましょう。