「アースダイバー」とか「アースダイビング」って言っても、通じる人はあまり多くない。説明すると、ああ、ブラタモリみたいな。と納得される。うんまあそんな感じですね、というけど実はわたくしあの番組は観たことが無いのです。あいすみません。別段タモリさんに含むところがあるわけではござんせんけど。
先日の上町台地縦走大阪アースダイビングを挙行するにあたり、『大阪アースダイバー』を再読した。
- 作者: 中沢新一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/10/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いやもちろん、今から二千年ほど前は大阪市内のかなりの部分がまだ海の底だったんですよ、てな話は覚えているけど。もっと他の、いろいろ細かい話ね。古代の大阪に渡ってきた南方系の渡来人が信仰していた神々は「まれびと」(訪問者)と呼ばれ、しばしば二人一組で海の向こうからやってくる。一人の神はまじめで、もう一人の神は、そのまじめな相方が大事なことを伝えようとしているのをまぜっ返して混乱させる。この様子を真似した芸能が萬歳、すなわち漫才である。とか、意味の中身を伝え合うのではなく、意味らしきものを伝え合っている、そのプロセスの方に重点がおかれるのが、大阪で発達した独特の言語コミュニケーションである、とか。
まあそんな話も含めて、やっぱり実際に四天王寺から西の海(高層ビルで見えないけど)を眺め、長堀通りの向こうに見える生駒山に思いを致し、谷町筋と松屋町筋の間の坂道を歩くことで高低差を体感する。というのがこの本の楽しみ方、という気がしましたですよ。