野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

外戚去ってまた宦官

曹操孫堅劉備もまだ生まれないうちに、順帝が急死して終わってしまった『三国志 第一巻』。おいおいどうするのよ、と思いつつ第二巻へ。

三国志〈第2巻〉 (文春文庫)

三国志〈第2巻〉 (文春文庫)

順帝の後に8歳の質帝を立て、梁太后は摂政としてなんとかがんばるのだけども、その兄である大将軍の梁冀ってのがとにかくひどい。順帝は毒殺してしまい、その次の桓帝を恫喝しつつ、悪逆のかぎりを尽くす。それでも桓帝、一大決心をして周囲の宦官を抱き込み、実力行使に出て梁冀を罷免する(梁冀はそのまま服毒自殺)。これでやっとまともになるのかと思いきや、今度は宦官が朝廷を私物化してやりたい放題。心ある一部の官僚が諫言しようと上疏しても皇帝を取り巻く宦官に握り潰されるか暗愚な皇帝の不興を買い、良くて左遷されるか、運が悪ければ投獄される。最悪の場合は命を狙われる。こうやって着々と後漢王朝が腐敗していく様が延々と綴られ、いやもう辛気臭いのなんのって。その中で、この2巻で100ページ以上を経過したあたりでやっと曹操が誕生する。しかしまだ話の主役ではない。いくつかのエピソードが語られ、どうやら若い頃はあまり素行がよろしくなかったようだ、ということはわかるが。そんな折に各地で黄巾の乱が発生(そりゃ暴れたくもなるわな)するわけだが、宦官の専横により機能不全に陥っている朝廷がそんなものにまともに対応できるはずがない。いよいよどうするんだおい、てなことになってきた。あ、そういえばこの第二巻の後半ぐらいで劉備も登場したな。次の巻ぐらいでそろそろ「三国志」が始まってくれるとありがたいんですが、いかがでしょうか。