野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

残り半分は優しさでできてるんじゃないかな

むかしレンタルレコードをカセットにコピーして聴いていたようなアルバムをぼちぼちとApple Musicで拾い出しては聴いている。アインシュトゥルツェテンデ・ノイバウテンもそのひとつ。Einstrüzende Neubauten=崩壊する新建築、ていう名前のインパクトだけで興味を引かれ、その音を聴いてさらに衝撃を受けたものだった。
とりあえず、“Halber Mensch”

Halber Mensch

Halber Mensch

邦題が『半分人間』っていうストレートさに苦笑を禁じ得ないわけだが、じゃ何てタイトルにすりゃいいんだよ?って言われたら、そうだな、どうしたもんかね。カタカナで『ハルバー・メンシュ』でいいんじゃないの?知らんけど。
タイトルトラックの“Halber Mensch”は、ブリクサ・バーゲルトのお経的ヴォーカルが全面に出ていて、おどろおどろしいながらも実はさほどノイジーではないのよな。で“Yü-gung (Fütter mein ego)”あたりは由緒正しきインダストリアル系ながら、割とポップだったり。これが“Der Tot ist ein dandy”あたりになると、もう本当に無茶苦茶だけど。
このアルバムが出たのは1985年、つまりまだベルリンの壁があったころなのだな。ノイバウテンは西ベルリンのバンドなわけだが、当時の空気というか雰囲気みたいなものが、この音からじんわり伝わってくるような気がする。知らんけど。
まあ何がすごいって、彼ら今でも現役で活動してるってことよな。いやもう、よう言わんわ。