野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

拘留512日 大学ノート62冊 餃子1日100万個

国家の罠』を読んだら、やはり副読本として『獄中記』も読まねばばらない。いや、読まねばならないのかどうかは知らんけど、何となく。でも、『国家の罠』はすでに2回読んだというのに、あのボリュームに恐れをなして、『獄中記』にはなかなか手を出せずにいた。そういう時にKindleは、少しだけハードルを下げてくれる。ぶっとい外観にビビってしまう、ということはなくなるから。

獄中記 (岩波現代文庫)

獄中記 (岩波現代文庫)

そんなわけで思い切って読んでみれば、やっぱりこれも面白いのだよ。512泊513日にわたる東京拘置所での暮らしについて、事細かに綴られた記録と、弁護団、外務省の後輩、同志社大学神学部時代の友人、等々に宛てたメッセージ。この中でも、弁護団へのメッセージは日を追うごとに長くなっていく。様々な制約が課される拘置所暮らしにおいて、むしろその制約を逆手にとって、娑婆にいてはできない知的活動に専念するなんていうあたり、やはりただ者じゃないよねこの人は。
そういえば同じ東京拘置所に拘留されていたカルロス・ゴーンは「電話もコンピューターもなく、どう自身を弁護できると言うのか」なんて憤ってたらしいけど、ボールペンとノートは使わせてもらえるみたいだし、マサルちゃんみたいにいろいろメモしといたらよかったんじゃないの?後で本でも書いたらどうよ?
ちなみに、これって15年以上前に出た本だけど、今読むといろいろ味わい深い。

私が見るところ、最も危険なシナリオは、「日本の総理大臣は弱い。総理特使を送り、秘密交渉を行っても、その責任をとることができない。日本を相手に交渉する場合、政治家は迂回した方がよい」 との認識をプーチン大統領が持つことです。

とかね。あーあ、どうすんのよ。