野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

カーネルサンダースみたいなアレですか

騎士団長殺し』の第1部には『顕れるイデア編』という副題がついている。どういうことやねんそれは、と読む前には思っていたのだが、下巻まで読むと実際にイデアが顕れてびっくり。騎士団長ってイデアだったのか。ってこんなこと書いても、読んでない人には何のこっちゃという話なわけなのだけど。

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)

騎士団長殺し 第1部: 顕れるイデア編(下) (新潮文庫)

さて上巻を読みながら、これは『グレート・ギャツビー』やんけ、と思っていたら、下巻で免色氏が主人公と谷を隔てた隣の豪邸に住んでいる理由が明らかになり、そうするとこれはもうますますギャツビー以外の何者でもない。実は村上さん、ニューヨーカー紙のインタビューで『騎士団殺し』は『グレート・ギャツビー』へのオマージュを込めている、と認めてたんですな。あーやっぱりそうですよねー。
さて、上巻ではまだ、夜中にどこかから鈴の音が聞こえる… なんていうちょっとしたホラーみたいな話だったのが、下巻では騎士団長が登場してしまい、何とも現実離れしたストーリーになってしまった。もちろん村上作品につきものの井戸(今回はちょっと大きめ)もあり。ここまでけっこう一気読みだ。さてこれからどうなりますか。