野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

何でもかんでもオマジナイやでしかし

レイさんにお借りした『お咒い日和』。ぱっと見で『お笑い日和』と読んでしまった。老眼鏡作り直した方が良いかな。

お咒い日和 その解説と実際 (幽BOOKS)

お咒い日和 その解説と実際 (幽BOOKS)

「お咒い」と書いて「おまじない」と読む。うーむ、知らんかった。
お咒い、呪い、祈祷、お祓い、調伏、これらの違いは何なのか。突き詰めれば、“すべてはなんらかの道具や行為、あるいは意志の力を用いて、超常的な力を頼んで結果を得ようとする行い”であり、“異なるのは、本人の心持ちだけ”であると。なるほど。
そもそも言葉は霊力を持つと考えられており、切る、結ぶ、折るという動作にも呪術的意味がある。マジナイの作法が肉体を用いて行うものであるのだから、我々の身体もまた、呪術的作用と作法で満ちている。
そういわれて考えてみれば、わたくしのような一般市民が日常生活の中で行うちょっとした動作や言葉から、けっこうオフィシャルなレベルでの儀式に近いものまで、ありとあらゆるオマジナイにあふれている。そんな諸々の起源とか根拠とか、それがどんな風に変わっていったのか、あるいは消えていったのか、てな内容が満載のエッセイ(?)で、いったいどれだけホラーな話が、と(期待半分に)身構えていると肩すかしを食らうかもしれない。でもほんと、現代においてもわたくしどもは、いまだマジナイからは逃れられずにいるのだなあと感じた次第。