野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ロージャってどうしようもないクソ野郎だよね

『『罪と罰』を読まない』を読んだらずいぶん面白かった。『罪と罰』を読んだことのない4人が集まって、断片的な情報をもとにストーリーの詳細を推理する、という内容だ。わたくし自身はずいぶん昔に読んだ。ひょっとしたら2回ぐらいは読んだかもしれない。けれども、「ラスコーリニコフが強欲な金貸しの老婆を殺害する話」で、ロシア人てのは同一人物が三つも四つも違う名前で呼ばれていて、ただでさえ名前が覚えにくいのにややこしくてたまらんな、と思ったこと、そしてやたら長いけども意外と面白かった、ということぐらいしか記憶しておらず、ストーリーの詳細がまったく思い出せない。そんな状態で『『罪と罰』を読まない』を読んだのだが、この本の後半はいわば「答え合わせ編」で、それまでさんざん妄想をふくらませて推理をし、それから実際に『罪と罰』を読み、推理した内容の検証を行う、ということになっている。そこまで来て、『『罪と罰』を読まない』を読むのを中断した。過去に読んだことがあるとは言っても、ほとんど内容を覚えていないのだから『『罪と罰』を読まない』の4人とほぼ条件は同じだ。つまり、ここでわたくしも『罪と罰』を読んで内容を把握しておかないと、これから先を楽しめなくなってしまうではないか。
というわけで、ものすごく久しぶりに『罪と罰』を引っ張り出してきて、とりあえず上巻を読んだ。

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

この本を初めて読んだのは大学生ぐらいの時だろうと思い込んでいたが、手元にある新潮文庫の奥付によれば、平成七年となっている。平成かよ。やっぱり2回ぐらい読んでいて、これは2回目に読んだ方だろうか?じゃ一回目に読んだのはどこに置いてあるんだ?いずれにしても内容をさっぱり覚えてないじゃないか。
てなことはどうでも良いのでとにかく読んでみたのだが。
いやーすごい。登場人物がそろいもそろって、とにかくロクでもない。誰一人として共感も感情移入もできない。ラスコーリニコフは、熱病のせいもあるとはいえ、かなり情緒不安定、というかもうこれはほとんどキ〇ガイじゃないか。「マメ父」ことマルメラードフも、「馬」ことラズミーヒンも、その言動はあまりにエキセントリックで、まったく理解不能だし、延々と続くラスコーリニコフの独白は、読んでいてとにかくイライラしてくる。ええ歳こいて(といっても20代前半?)いつまで中二病引きずってけつかんねん、とドツいてやりたくなる。ああもうどうするのよこの話。とぐったりしつつ下巻へ続く。