野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

お初にお目にかかりました

伊丹市立美術館に『ルート・ブリュック 蝶の軌跡』展を観に行った。

つい最近まで、ルート・ブリュックなんて聞いたこともなかった。
何だか良さげな展覧会をやってるから観に行こう、と妻に誘われて初めて名前を知った。案内で紹介されている作品を見ると、なかなか好みな感じ。
で実際に観たら、いや確かにこれは、かなり良い。
何だか、空中に浮遊する男女、とか、鳥とか魚、そして微妙な深いトーンがシャガールを連想させる。

「ライオンに化けたロバ」。素朴なようで、どこか人を食ったような雰囲気もありつつ、妙に惹かれる。

残念ながら地下の展示室は撮影禁止。

こちらはレリーフ作品がメインになっている。グロスとマット、そしてアースカラービビッドカラーの組み合わせに様々なバリエーションがあって、見ていて飽きない。立体的な幾何学模様を組み合わせて構成されるものが多いのだけど、手で切り出したそれらの要素には絶妙なゆらぎがあるため、有機的な印象を受ける。後期の作品になるほど、ピースはだんだんと細かくなっていき、一方で出来上がりは巨大になっていくのが面白い。表現はミニマルでアブストラクトながら、それでも不思議と「樹」とか「水に映った夜景」とか、ちゃんとわかるのだ。
てな感じで、いや実に観応えありましたな。ルート・ブリュック、要チェックですぜ。