野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

やってるあんたは楽しいだろうね

長いことハードディスクに放置されていた『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を観た。

まあ何と言うか、「面白かった!」とか「感動した!」とか「キムタクカッコ良い!」と感じで楽しめた人たちだって少なからずいたのだろうから、わたくし自身の感想はあまり語らないでおく。
とりあえず、「ひどい映画だった」とだけ言っておこう。

ちなみに、「あんなのヤマトじゃない!」とかそういうのとは違います。
たしかにわたくしは宇宙戦艦ヤマト世代で、小学生の頃にテレビで放送しており大人気だったし、同級生の誰かが学校で「地球滅亡まであとxx日」とか何とか言ってたのも覚えている。
でも、ほとんど観てなかったんだよなー。
まったくと言って良いほど興味が持てなかった。理由はよくわからない。
別にテレビが嫌いだったわけではない。『8時だョ!全員集合』は好きでよく観ていた。
シリアスな話が苦手だったのかもしれない。まあその辺はまたじっくりと考えてみよう。
あ、『銀河鉄道999』はそれなりに観てたんじゃないかなー。たぶん。

あの映画の中でヤマトが地球を出たあと、いよいよ太陽系から離れるという時に、乗員に対して「しばらく家族と話できなくなるから今のうちにしとけ」って各自十数分ぐらいだかの持ち時間で地球に残った人たちとテレビ電話で話をする、というシーンがある。
いやちょっと待て、と思った。調べてみたところ太陽から海王星までの距離がだいたい45億kmで、これがその時のヤマトと地球の距離と同じくらいと考えてよろしかろう。光速はざっくり秒速30万kmだ。だから、ヤマトから発せられた電波が地球に届くのに、15,000秒≒4時間9分ほどかかる。つまり、ヤマトで「もうかりまっか」と言ったのに対して地球で「ぼちぼちでんな」と返した答えがヤマトに届くのが8時間18分後、ということになる。やってられるか、っちゅうねん。
いやそもそも、ヤマトってものっそいスピードで飛んでるよな。特殊相対性理論では「2人の観察者がいるとき、互いの相対的な速度差により、または重力場に対して異なる状態にあることによって、2人が測定した経過時間に差が出る(時間の進み方が異なる)」と言われている。つまり、めっちゃ速く動くと時間の進みが遅くなる、という、SFなんかでよく出てくる「ウラシマ効果」だ。

ヤマトの巡航速度は光速の99%(最高速度は99.9%)だそうで、上記のWikipediaにある式から計算すると、だいたい地球上に比べて7倍ほど時間が遅くなる。
以下のヤマトの航海日程実績(こんなもんがあるんやな)によれば、イスカンダルに到着したのは出発してから233日後のことらしい。

ワープのことを言い出すと話がややこしくなるので無視して単純にこれを7倍しても、地球ではもう4年半近く経過した、ていう計算になるんだけどな…
いちいちそんなこというのは野暮ってもんだというのは承知の上で、でも黙ってられへんのよねーこういうの。

ちなみに主題歌、どっかで聴いたことのある声だなーと思ってて、あ、エアロスミスちゃうんこれ!と気付いたけど、なんとスティーブン・タイラーのソロって。びっくりしたなあもう。