野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

委員長はアイスクリームがお好き

午後から雨の予報で天気も良くないことだし、かねてから懸案となっていた『アイリッシュマン』を観に行った。

上映館はシネ・リーブル梅田。大阪で今やっているのはここぐらいじゃないだろうか。先週一週間限定で心斎橋のどこかでもやっていたようだが。
マーティン・スコセッシ監督、そして出演はロバート・デ・ニーロジョー・ペシアル・パチーノなんていわれたら、そりゃ期待せずにはいられないけども、3時間半ってのはさすがにキツい。きっと途中でトイレに行きたくなるだろうし、ひょっとしたら気を失ってしまうかもしれない、などといろいろ心配していた。ところが始まってしまえば後はもう、すっかり没頭してしまい、気を失うどころじゃないしトイレにも行かずにすんだ。もっともわたくしの斜め前ぐらいのおっちゃんはめっちゃイビキかいて寝てたし、劇場内の誰かがポップコーンかなんかの乗ったトレイを床に落としたと思われる轟音が聞こえてきたりというような事案はあったけども。

いやまあやっぱりすごいよねデニーロ、圧倒的な存在感。そして、あんな落ち着いたジョー・ペシなんてのも初めて見た気がする。どうしても『グッドフェローズ』のトミー・デヴィートとか『リーサル・ウェポン』シリーズのレオ・ゲッツとか、ああいうイメージしかなかったので、かなり意外だった。それから全米トラック運転手組合の委員長ジミー・ホッファ役のアル・パチーノ。ぶっ飛んでますな。昔のアメリカの労働組合って、相当に手荒いというか何というか…
あと、この映画はデニーロ扮する老人フランク・シーランが昔のことを語る、というかたちで話が進んでいく都合上、彼らの若い頃のシーンも多くある。そこではDe-agingという技術が使われている。

つまり、デジタル画像処理により役者を若返らせて見せるわけだが、これがとてつもなく出来が良い。
もっとも、「あんなの全然うまく行ってない、金の無駄だ」と批判する人たちもいるようだが。

まあその辺の賛否両論は置いとくとして、映画そのものは『グッドフェローズ』級の傑作だろうとわたくしは思う。がんばって観に行ってよかった。

途中トイレに行かなくて済むように、あまり水分を取らないようにしたので喉が渇いた。帰る前にちょっと水分補給をしておこう、ということで新梅田食道街へ行ってみたら、いしもんの立ち飲みができているではありませんか。
玉子サラダをアテにビールを一杯。

なかなか結構でございました。