野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

だいぶ熟成させちまったな

NHK Eテレの『しごとの基礎英語』という番組をシーズン2から3ぐらいまで見ていた。なかなか面白い番組だった。一人だけ台本を知らされていないアキこと篠山輝信くんが、ぶっつけ本番で英語を喋る、のだが初期の頃はどうしようもないくらいにグダグダだったのが、回を重ねるにつれてだんだんイイ感じになって行き、すげえなアキ、と感心しながら見ていたものだった。
その番組で、英語の解説をしていたのが、登場時に名前の上に「英語は心」と書かれている大西泰斗せんせだ。アキもすごいのだが、大西せんせによる解説が秀逸だった。単にこんな文法で、という理屈だけではなくネイティブの感覚とかイメージはこんなのだから、という説明で、腹落ち感があるというか身体に沁み込むような感じがしたものだ。
で、この大西せんせ、『ハートで感じる英文法』という本がある。
面白そうなので買おうとしたら絶版になっていたが、Amazonで中古があったのでそいつを購入した。正確には『ハートで感じる英文法 会話編』の方だ。

それが2018年のこと。あれから2年半近く放置してしまっていたのを、最近やっと読んだのだ。
いやー面白かった。便宜上、英文法という理論体系があるわけだが、ネイティブがいちいちそんなもん意識しながら喋ってるわけがない。そりゃそうですね。細かい文法を覚えたところで、実際に使われている英語に込められ、交わされるメッセージを本当に理解することはできない、というわけだ。
中学・高校と(そしてそれ以降もずっと)悩まされ続けてきた、様々な構文や表現、語法、大切なのはまずそれらの「呼吸」をつかむこと。後ろにある「キモチ」の動きを理解すること。イメージを把握すること。その原則を踏まえて、文例を色々と見ていくと、今までと違う景色が見えてくる気がする。
なるほど、「英語は心」というのはそういうことだったのですね。
ちなみに、すでに絶版になっている『ハートで感じる英文法』と、この『ハートで感じる英文法 会話編』を合わせて一冊にした『ハートで感じる英文法 決定版』が、2018年の購入時にはすでに出ていたのだということに、今になって気づいてしまった。
うーむ、「会話編」はブックオフ行きにして、「決定版」を買おうかな…