野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

今じゃアレフってのはよ

無限とは何か。限りが無い、ちゅうことですね。当たり前か。
そんなもん小学生でも知ってるわ、と言いたいところだけども、ちゃんと説明しようと思うと、意外と難しい。
けど無限ってそこら辺どこでも転がってたりする。無限がなければ微分積分フーリエ変換もできないし、マクスウェル方程式シュレーディンガー方程式も解けない。
とても重要な概念なんだろうな、というのはわかる。
とは言っても無限はどこまで行っても無限なのであって、無限の種類とか濃度とか、あの無限とこの無限はどっちが大きいとか濃いとか、そんなもん考えて何の意味があるのか、とわたくしなどは思ってしまう。
けれどもそれを本気で考えた数学者がいた。それがゲオルク・カントール
無限について少しでも真剣に考えようとすると、底知れない不安にとらわれる。まともな神経ではできない思考じゃないかと思う。だからカントールは結局、精神を病んでしまった。
カントールが提唱した(けどもついに立証できなかった)「連続体仮説」を、クルト・ゲーデルは偽であると証明しようとした。が、結局はそれもうまくいかず、ゲーデルもまた精神に失調をきたしてしまった。
無限について考えても、ロクなことはないのだ。
そういえばループ量子重力理論では、時間も空間も、無限に小さく分割することはできない、プランク時間プランク長が最小単位である、とか言ってたな。そうすると無限ってのはあくまで概念に過ぎず、実世界には存在しない、ということなのか?
まあそれはどちらでもよろしい。それよりも体重とか血圧とか尿酸値とか、最近ではさらに体温とか、わたくしには気にしなければならない数値が山ほどある。
そんな感じの『「無限」に魅入られた天才数学者たち』。

なかなか面白かった。