野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

スミス聴いたことないんだよな

新聞で『オンガクハ、セイジデアル』の広告を見かけた。おっ、と思って、自転車で隆祥館書店へ行った時に買ってきた。

2013年に刊行された『アナキズム・イン・ザ・UK』収録のエッセイとWeb記事を合体させたものだそうで、書かれたのは10年以上も前のことだ。つまり、たとえば「トランプ大統領」なんていうのはまだ趣味の悪い冗談ぐらいに受け止められていた世の中だったわけだ。
そんな頃から英国ではすでに階級が固定化し分断が進み、排外主義が広がって労働者階級のエートスは劣化して、というような事が起こっていたわけだな。
いずれもどこかで見たり聞いたりしたような話、と思ったらそれらはだいたい今の日本で起こっていること。
ということはこれから先どうなるかというと… と考えると暗澹たる気分になる。
全体に結構ハードで政治的な話題が多い中に、時々「どうしてこんなにストーン・ローゼスが好きなのだろう」などと言いながら、ストーン・ローゼスの素晴らしさと、バンドがグズグズに崩壊していく経緯について語るパートもあったりして、面白い。
ちなみにわたくしは一作目の"The Stone Roses"よりも、二作目にしてラストアルバムであり、その制作過程についてマニが「(契約があるので)やんなきゃなあ……、という感じだったよ、はっきり言って」と語っていたという"Second Coming"の方がずっと好みだったりする。どうでも良い話だが。
まあとにかくアレだ、「音楽に政治を持ち込むな」とか寝ぼけたこと言ってんな、てことですよ。オンガクハ、セイジデアル。