いずれ読んでみなければ、と長年思っていたけども文庫にもKindleにもなる気配がなかった『薔薇の名前』。
ついに見切りをつけてぶっとい単行本を買ったのが今年の3月のこと。その後しばらく寝かせて、ようやく手を着けたのが6月ぐらいだったか。
話が面白くないわけではない。が、ひたすらくどいというか冗長というか、別にそれ無くても良いよね、というアドソ君の独白や長台詞は『ベルサイユのばら』に負けず劣らず。そして僧院の中の装飾その他についての微に入り細に入った叙述、いつ果てるともしれない異端審問。
加えて、海外の小説でありがちなことだが登場人物の名前をなかなか覚えられず、ストーリーがなかなか頭に入ってこない。おまけにどうも翻訳のテイストがあまり好みでない、ときたもんだ。
こんなことを言うのは不粋だということはわかっている。読みづらさは自身の教養の不足に因るものだとも認識している。だがしかし、
3分の1ぐらいのボリュームでも十分ですよねこの小説。
ああ言ってしまった。
ちなみに随分前に映画を観たのだが、酔っ払っていたため途中で気を失ってしまった。ひょっとするとシラフでもちゃんと起きていられたかどうか、どうも怪しいな。
生きているうちに、というかボケてしまう前に、と思って読んだのだが、まだわたくしには百年早かったのかもしれん。来世で読もうぜベイビー。