野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

雨乞いは降るまでやるのがコツ

茨木のカフェ、百花(もか)に併設のギャラリーla galarieで落語会が行われた。
同ギャラリーでは、「噺」というタイトルでイラストレーター玉村へビオさんの作品展が開催中である。タイトル通り、落語の色々な噺を題材にしたイラストが十数点。玉村さんは動物が好きなのだそうで、「夏の医者」とか「雁風呂」とか動物が出てくるネタが多い。俺様はどっちも聴いたことないけどね。Macで作って顔料のインクジェットプリンタで出力されているらしい。割とデリケートな色使いで、ちょっとイイ感じ。紙は厳選しているそうだ。
んで落語は桂しん吉さん、ネタは「道具屋」と「雨乞い源兵衛」の二本立て。しん吉さんの噺もこの2席も、今回初めて聴く。「道具屋」の筋(あってないようなものだが)は知ってたけど、生で聴いたらやっぱり面白い。勢いがあってなかなか楽しい。マクラでカミングアウトした鉄ヲタぶり(「音鉄」らしい)がまた微笑ましい。映画の「阪急電車」を観にいって、感動するところが違う。
それにしても「雨乞い源兵衛」。古代中国の禹帝の伝説のように、やはり治水を司るものは英雄になるのだな。雨乞いというのは多くの場合未婚の女性を生贄として捧げるという儀礼があるものだが、この噺においては龍神ではなく源兵衛に与えられそうになり、そして治水の英雄たる源兵衛は失踪する。ひょっとして自身を生贄として捧げてしまったのだろうか。このようなバリエーションを、神話論的にはどう解釈すればよいのでしょう、老師。

百花での落語会は、実は今回が初めてらしい。ぜひ今後も定期的に開催していただくことを願うのである。