野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

なぜ犬の名前を?

マーティン・スコセッシ製作・総指揮、リュック・ベッソン監督、で主演はロバート・デニーロトミー・リー・ジョーンズ、なんていわれたらそりゃ観ないわけにはいかんでしょ、「マラヴィータ」。毎月1日は「映画の日」で1,000円で観られるしちょうど良い。梅田あたりだと良い時間帯の上映がなかったので、TOHOシネマズなんばで12:50の回を予約して行った。
父親は元マフィアで、「ファミリー」を裏切って警察に売ったために、刑務所に服役中のボスから狙われており、一家そろって証人保護プログラム下にある。ノルマンディの片田舎にある街に引っ越してくるところから話は始まるのだが、この一家どうもあちこちを転々としているらしい。それもそのはず、一家揃ってかなり問題ありだ。転校してきたとたんに不良に目を付けられてボコられたが、きっちり情報収集をしてあの手この手で「倍返し」をする息子、声をかけてきた男たちをテニスラケットでボコボコにし、人里離れたところに置き去りにしたまま車を奪って逃げる娘、ピーナツバターを買いに行ったスーパーで馬鹿にされ、陰口を叩かれたので店を爆破する母親、そして遅れてきた挙句に法外な工事費用を吹っかけようとした配管工をバットで半殺しの目に遭わせる父親。全編これバイオレンスだらけだが、実に痛快で面白い。劇中でデニーロが言っていたが、やられる奴らには、それなりの理由がある。我々自身が、日常の中で何かと腹の立つことや憤りを感じて、しばいたろかこいつ、と思うことがあるが、それを実際にやってしまう(デニーロですら妄想にとどめることも多かったが)、というあたりが痛快なんだろうな。いわば「半沢直樹」の人気と通じるものがあると思う。
あと、トミー・リー・ジョーンズはもちろんFBIだが、デニーロとの絡みがまたなんとも言えず味わい深い、ということも申し上げておかねばなりますまい。
もともと期待はしていたが、大当たりだった。個人的に今年一番の映画と言っても良いと思う。