野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

You played the guitar on the MTV

何の用事だったか忘れたけど、この前YouTubeを見ようとしたらポルシェのCMが流れてきた(たぶんポルシェだったと思う。いま改めて探してみたけど見つからない…)。なぜかいきなりギターが出てくる。最初アンプも通さずにぽろぽろと弾いている。同じリフを今度はアンプにつなぎ、さらにエフェクターを通し、最後にはがんがん弾いている。おお、このリフは。ダイアー・ストレイツの"Money for Nothing" だ。これを弾いてみたくなってYouTubeで"How to play Money for Nothing guitar riff" みたいな動画を見て、アコギで悪戦苦闘。そうこうしているうちにちゃんとダイアー・ストレイツが聴きたくなり、Amazon.comでダウンロードできないかと思って見たら、ありますねえやっぱり。で、なんでか知らないけど、ダウンロードよりもCDの方が安い、てなケースが最近ちょいちょいある。ダイアー・ストレイツの"Dire Straits" や "Communiqué" なんかがまさにそれだ。CDを注文すると届くまでにどえらい時間がかかるという問題があるのだが、そこは上手くしたもので、Amazon.comはAutoRipなんていうしかけを用意している。CDを購入したら、同時にMP3バージョンもダウンロードできるようになる、というわけだ。ちなみにダイアー・ストレイツのこれらのアルバムは、$3.99とか$4.99などという、気でもちがったか、というぐらいの値段が設定されている。こいつあいけませんね、てんでほかのCDもあれこれ物色しはじめる。送料が無料になるように、と総額が$50を少し超えるぐらいにすると、なんとこれがCD11枚分に相当するのだ。まったくアタマおかしいんちゃうか、と思いつつポチっと。などとやっていたのが先週のThanksgiving休暇中のできごと。注文したCDが届くのは12月の1日〜5日あたり(えらい幅があるやんけ)とのことであるが、前述の通りAutoRipないくつかのアルバムをさっそくダウンロードしてここ数日聴きまくっている。上記のダイアー・ストレイツのアルバム2枚もそうだ。というわけでまず"Dire Straits"。

Dire Straits

Dire Straits

1980年代にMTVで"Money For Nothing"が売れて、かなり有名になったバンドだが、それ以前からちょっと渋好みな筋からは人気があったようだ。もちろんわたくしは"Money For Nothing"で初めて知ったクチだ。あの曲が入ったアルバム"Brothers In Arms" はけっこう好きで、今でもときどき聴いている。
で、この"Dire Straits"、邦題は『悲しきサルタン』。そうですね、あの有名な"Sultans of Swing"が入っているのですね。これもまた、どこがどう悲しいのかよくわからないけど「悲しき」ってつけちゃいました、てやつですね。「いとしの」とか「悲しみの」とか「紫の」と同じやつ。
で、あんまり知らんかったんだけどもマーク・ノップラーって指弾きなんですな。しかもほとんど生音で。こりゃすごいわ。で、わたくし実はけっこう好きだったりするのだけど、あのどうにもやる気なさそうなボーカル。そんなにイヤなら他の誰かに歌わせたら?と思うのだけど、実はあれってボブディランの影響だったのか。ぱっと聴いた印象はなんとなくアメリカっぽい音で、あんたらほんまにイギリスのバンドかよ?と言いたくなるけど、でも良く聴いてみるとやはりところどころにこう、独特の湿り気が、って、知らんけど。 クラプトン翁の昔のアルバム、"461 Ocean Boulevard" とか "There's One In Every Crowd" あたりの雰囲気があるのよね。まともに聴くのは今回が初めてだけども、これたぶん、あの1980年代当時に聴いても「何やつまらん」ってなってたんじゃないかという気がする。いま聴くと、これが何とも味わい深くてよろしいのでございますよ。
こういう名盤が本当にお安くで手に入る、まことにありがたい時代になったものだなあ。