野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

グールドの呪い

先日グールドのCD10枚組激安ボックスセットを見つけ、ちょっと鼻息荒くなったのだが、いやいやここはひとつ冷静に、ということでその場は丸く収めた。と思いきや、結局は翌日に、ストーンズパット・メセニーノラ・ジョーンズのどれを買おうか… と悩んでいるうちについうっかりこの10枚組を買ってしまった。

Glenn Gould Plays Bach, Beethoven, Schonberg, Weber and Berg

Glenn Gould Plays Bach, Beethoven, Schonberg, Weber and Berg


グールドは790円の輸入盤をあれこれと買い漁っているのだが、それでも内容がほとんどカブっていないというのがまたすごい。いわゆるレア音源なのだろう。まあモノラルだし。
面白いのは、2種類のゴルトベルク変奏曲が入っていることだ。CD1が1954年、CD2は1955年の録音だ。一般に、グールドのゴルトベルク変奏曲で有名なのは1955年版と1981年版だが、どうもこのCD2が、いわゆる1955年版ということらしい。ではCD1の方は?さあ何なんでしょうな。まあレア音源てやつですな。ゴルトベルクの55年と81年は同じ曲なのに解釈がまた全然違うということでも有名だが、この54年と55年もずいぶん違う。というか55年版、超高速。冗談みたいに速い。81年版の演奏時間が50分を超えるのに、55年版は38分台。なんぼなんでもそりゃおかしいだろグールド。
本セットはCD1-CD4がバッハ、CD5-CD9はベートーヴェン、そしてCD10はベルク、ウェーベルンシェーンベルクの作品になっていて、このCD10がまたレアでもある。まあちょっと聴いてみたところでは、「ふーん、何か変なの」というちょっとばかし残念な感想だったが。でもベートーヴェンものはわりと充実しているかもしれない。ピアノ協奏曲はカラヤンとかバーンスタイン指揮のものもある。ピアノ協奏曲は28番が入っていて、ポリーニと聴き比べるてみると、意外と元気だったりする。
まあ色々と聴いてみますですよ。