野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

Can you keep a secret?

犬にエサを与える際に、毎回ベルを鳴らしていると、そのうちベルを鳴らすだけで、その犬はよだれを垂らすようになる。これがパブロフ博士による有名な実験で、いわゆる「パブロフの犬」というやつだ。これは生理学的には「条件反射」と呼ばれる。何も犬に限った話ではなく、人間だって梅干しを見ただけで口の中に唾液が出てきたりする。
さてこういった理屈により、夕方以降に新幹線に乗ったら、ビールとかチューハイとかそういったものを飲んでしまうというのは、これは実に自然な反応であっていかんともしがたいところではないだろうか。
今日の出張の帰り、新横浜で新幹線に乗った。6号車4番A席。窓際の席だ。乗り込んだ時には、すでにオッサンがC席(通路側)の席でビールを飲んでいた。わたくしもA席で一杯引っ掛けつつ、小一時間ほども経った頃にはオッサンは気持ち良さそうにおやすみになっていた。そこにワゴン販売が通りかかったのでビールを買おうと呼び止めた。わたくしにビールを手渡そうとするワゴン販売のお兄ちゃんに、何を思ったかオッサンは新幹線の切符を差し出した。
うぷぷ、オッサン寝ぼけてけつかるわ。検札はとうの昔に来たやんけ。ワゴン販売の兄ちゃんは、そのままシカトして通り過ぎるのかと思ったら、「お客様、車掌ではございません」と言ってた。律儀なやっちゃ。
さてそれからさらに30分ほども経っただろうか、この俺様も他愛無く眠りに墜ちていた。はっと気づくと、新幹線が駅に到着しようとしているところ。こりゃいかん!とあわてて荷物を引っ掴んで降りようとしかけたのだが。まだ名古屋やんけ。通路側C席のオッサンは俺様を通そうとしてくれているのに、どうもバツが悪く、とりあえずトイレなど行ってみた。
ああカッコ悪い。オッサン、このことは誰にも言うなよ。