脳には可塑性がある。と先日読んだ「ネット・バカ」に書かれていた。つまり、使うことによってどんどん変わって行くし、その変わり方は使われ方しだいであると。
それを、ご自身の脳で体験された山田さんが書かれたのが「壊れた脳 生存する知」という本だ。
- 作者: 山田規畝子
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2009/11/25
- メディア: 文庫
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3度の脳出血の後遺症により生じた「高次脳機能障害」に関する経験について書かれた本なのだが、我々が普段「何も考えずに」行っている動作の多くが、精緻かつ巧妙な脳の処理によって行われているものである、ということがよくわかる。脳の特定部分にどういう機能があるのかを、その部分を破壊することによって知る、なんていうのは、考えてみたら遺伝子ノックアウト実験なんかと同じだな。
これらの脳の働きも驚異的だが、著者の山田さんもすごい。普通ならこんな目にあえばヘコんでしまって終わりだと思うのだが、さすがに医者だけあって(かどうか知らんけど)、自分の身に起こっていていることをリアルかつクールな目で観察・分析し、リハビリで少しずつ回復させるとともに本にまでしてしまう。タフな精神力だ。
やっぱりね、頭は使わんとボケてくるのだよ。そして使い方にも注意が必要だ。あまり偏りすぎないように、普段使わない部分は、意識して使うようにしないとね。