例によって9月はローマ人の季節である。
ついに最終巻「ローマ世界の終焉」が文庫で登場した。
というわけでまずは上巻を。
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/08/28
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
ローマ帝国の滅亡は、いわゆるゲルマン民族の大移動、ありていに言えば各方面からの蛮族の侵入が原因であるということになっているのだろうか。少なくとも歴史の教科書ではそうなっていたような気がするな。
蛮族の侵入が直接の原因であるのは確かなのだろうが、それも例えばパクス・ロマーナの時代であれば問題なく防げたはずである。やはりそれ以前に帝国の弱体化が起こっていたため蛮族に対処できなかったのが本当の原因だ。ではなぜローマ帝国の国力は劣化していったのか… てなことを例によって重箱の隅をつつくように検証していくわけね。細切れの史実を組み合わせ、欠落しているところを補完しながら。
上巻の主役は将軍スティリコですな。時の皇帝ホノリウスは若かったとは言えあまりにあかんたれであったと。スティリコは非常に優れた人物であったのだけど、まあアカンときにはどんだけ立派な人物が何をやっても結局はアカン、となんともやりきれない話になってしまうのだろうか。
続いて中巻、下巻を。ということでしばらくはローマ人漬けでございます。