野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

みんないろいろ言うんですよ

「ブルー・オーシャン戦略」って超有名な本で、あまりに有名すぎるために「こーいうこと書いてるのよね」って勝手に決めつけて、そして「日本企業にとってはブルーオーシャンなど幻想である」みたいなこと言ったりする人もいるもんだからなおさら「そうだそうだ」ってわかったような気になってたのだけど。
考えてみたら、実際に読んだこともないのにそんなこと決めつけたらいかんわなあ。
ということで、今さらな感じだけども、ちゃんと読んでみました。

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)


うん、やっぱり読んでみてよかった。思ってたのとはちょっと違う。世間でわかりやすく解説されている「ブルー・オーシャン」は、間違いじゃないけど部分的にすぎるかもしれない。潜在顧客の発掘、みたいなのは確かにそうなのだけど、それ以外のケースだって色々あるんじゃないか。重要なのはバリュー・イノヴェーションだ。そして、現実にはやっぱりブルー・オーシャンだけで左うちわ、っていうのはまず無くて、レッド・オーシャンで血だらけになりながらもブルー・オーシャンを創り出していくべし、ということだろう。そう考えれば、過去からある事業戦略論なんかとの地続き感も出てくる。
まあ改めて思ったのは、こういう「戦略」って作るのはもちろん大変なのだけど、それを実行して行くのはその何倍も大変だってことだ。特にこの「ブルー・オーシャン」みたいに、その戦略が斬新であったり革新的であったりするほど、実行するにあたっての抵抗や障害は大きいはず。だからその辺をきっちり押さえていて、戦略を実行していくためのプロセスや方法論についてもかなりの紙幅を割いている、というあたりはなかなか大したものだな、と思った。
これは「古典」になるかもしれない。