野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

さすがは元MoMAのキュレーター

一流の芸術家というのは、やはりどこか普通でないところがあるもので。物事の優先順位みたいなものが、凡人とは少しばかり違っていたりして、そういうところに色々な伝説だったり逸話みたいなものができあがったりする。
実在の人物と、いくつかの事実をベースにし、作家のイマジネーションで補完してできあがった4つの物語。主役はマティスセザンヌ、ドガ、そしてモネ。彼らと関りのあった、家政婦だったり画材屋だったり画商だったり助手だったり(すべて女性)が、これらの画家について語る。「ジヴェルニーの食卓」は、そんな短編集だ。

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)


別段エキサイティングでも、スリリングでもない。ちょっと地味かもしれない。けれども、マハさんの絵画に関する該博な知識と深い愛が随所に散りばめられた、味わい深い物語ばかりだと思う。