野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

Sylvian、6年ぶりの新作

デヴィッド・シルヴィアンの新譜 "Manafon" が出た。ボーナス・トラックが一曲追加される国内盤のリリースは9月23日の予定のようだが、輸入盤はすでに手に入る。Amazonで予約したときは1,502円だったが、後に1,473円まで値下がりした。「予約商品の価格保証」というシステムにより、最も安い価格が適用される。商品の発送前に「Amazon.co.jpからのお知らせ」メールが来て、価格が下がりましたよ、と書かれていた。価格が下がるのは結構だがそれで1,500円を切ったがために、送料を請求されたらどうしよう、と少しどきどきしたが、幸いにしてそのようなことは起こらなかった。我ながらつまらんことを心配するものだとは思うが。

Manafon

Manafon


前作 "Blemish" では、それまでとずいぶん違った音で、即興性が強くなり、シルヴィアンのヴォーカルの存在感が増していた。実は "Blemish" のアルバムをちゃんと聴いたことはない。数年前にTVでやっていたライブ映像は観たのだが。そのライブは… ちょっとキツかった。音をそぎ落とし、ミニマルでノイジーな演奏の上にシルヴィアンの声をぽつりぽつりと乗せて行く、そんな感じだった。"Blemish" のさらに前、"Dead Bees on a Cake" はとても好きなアルバムだったので、そこからの落差が大きすぎ、かなり戸惑った。ああいう世界を期待していたので、どうも退屈、というか苦痛すら感じたものだった。
今回の "Manafon" もやっぱりそんな感じだ。音数はもっと少なくなっている。今度は完全にシルヴィアンのヴォーカルが主役で、バックの音を薬味的に振りかけた、みたいな。どこか、宗教的な儀式のような印象さえ受ける。けど、意外と悪くないかも。少なくともアートワークは "Blemish" よりも好きだな。今回もクリスチャン・フェネスが参加しており、例によってそこかしこに美しいノイズをちりばめている。慣れるまでにちょっと時間がかかりそうな、でも不思議な味わいのアルバムだ。