野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ノイズ系アンビエント

デヴィッド・シルヴィアンのアルバム"Blemish"は、「通常2〜3週間以内に発送します」の状態でAmazonに注文して、数ヶ月待たされたあげくに「入手できませんでした」とキャンセルされる、ということが過去に2回ほどあったといういわく付きのアルバムである。今回やっと、入手することができた。三度目の正直というやつだ。10/3に注文したものが10/16に到着した。2週間強だ。最初の注文確認メールでは「お届け予定日: 2010/10/20 - 2010/10/29」となっていたから、上出来と言えよう。
ちなみに昨日の時点ではまだAmazonで「あと一枚」となっていたのが、先ほど確認したらまた「通常2~3週間以内に発送します」になっていた。

Blemish

Blemish


さてやっとのことで手に入れたこのアルバム、2003年の作品なのだが、その前の "Dead Bees On A Cake" からずいぶんとテイストが変わってしまっており、当時これを初めて聴いたファンを戸惑わせたのではないだろうか。もちろんわたくしもその一人なわけで。以前にも書いたのだが、ある程度まとまって聴いたのはNHKでやっていた来日公演で、これがあまりにアヴァンギャルドすぎて正直なところどうにも退屈、と思っていた。ところがその後の "Manafon" は、これも同様の路線なのだが、最初はちょっと抵抗がありながらも妙に癖になり、何度も聴くうちにかなり心地良く感じるようになってしまった。そこからの流れでこの "Blemish" に戻ってみようと思ったのだが、上記のごとく意外と入手困難だったりしたのだ。
全体の雰囲気がもう、何とも言えず殺伐としている。シルヴィアンのヴォーカルも悲痛な感じ。でもある種の「恐いもの見たさ」のような感覚で、耳障りなノイズの再生を止めることができない。その気になればいつでも停止できるのに。そうこうするうちに、すっかり "Blemish" ワールドに取り込まれ、アディクトしてしまっている。恐るべし、デヴィッド・シルヴィアン。ここからさらにどこへ行こうとしているのか。