野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

フェアリーランドの陰謀

再発行したOne'sダイレクトの暗証カードが届き、有効化の手続きも完了して数日後、あれだけ探しまわっても出てこなかった暗証カードを、机の引き出しの中で発見した。500回ぐらい探しまわった机の引き出しの中で。
こういうことが起こるのは、どうやらわたくしだけではないらしい。「ねにもつタイプ」を読んでみると、著者の岸本さんはどうやらそういう人らしい。いや、「そういう人」なんて生易しいもんではない。はっきり言ってわたくしなんぞとは格が違う。

ねにもつタイプ (ちくま文庫)

ねにもつタイプ (ちくま文庫)


格が違うけど、なんかわかるなあ、すごく良くわかる。人ごとじゃないよホント。
でこの人の妄想もスゴいのだ。妄想といえば彼女が師と仰ぐ(?)三浦しをん大先生がスゴいのだが、この人の場合はちょっと違う。しをん大先生の妄想は、あくまで現実世界の範囲内だが、岸本さんの場合はもう、異世界に飛んでしまっている。それがまたなんというか、ちょっとアーティスティックで静謐にして凶暴な世界で、妙にわたくしの好みといいますか。いかにも実話であるかのように書いてある話も、あれ本当に実話?なんぼなんでもそれは無いでしょ、というのもけっこうあるのだけど。
隠し味的に仕込まれた狂気がひとつまみ、というこのテイストが、とても気に入ってしまいましたです。