「三匹のおっさん」というタイトルだけで、おおっ?と思っていた。あの「阪急電車」の有川浩さんではないですか。
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 文庫
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還暦を迎えたのだけど、ジジイであることは認めたくない三人の「おっさん」(もと町内の悪ガキども)がひそかに自警団を結成し、ご近所の悪を斬る、というまさに勧善懲悪の「痛快活劇」である。
話型としてはわりとシンプルだけど、これも「阪急電車」と同様にやはり重要なのはディセンシーであり、三匹の価値観や行動原理はコミュニタリアニズムだと思う。共同体を邪悪なものから守るのが大人の役割であり、それはまさに「ご近所限定の正義の味方」という言葉で表されている気がする。この「ご近所限定」っていうのが良いのだ。これぞまさに「小商い」的発想なんじゃないか。
まあ小難しい理屈はどうでもよろしい。ちょうど続編が文庫になったところだ。とにかく面白かったから、次も読む。