日本に未来はあるのか?この国で生きていくために、我々は何をすべきか?
そんなお題で、姜尚中氏と中島岳志氏が対談した。
- 作者: 姜尚中,中島岳志
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2008/02/23
- メディア: 単行本
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えーわたくしにはちょっとばかし難しすぎます。特に、「近代日本を築いた先人たちの葛藤を振り返」っているあたり。なんか聞いたことあるな、っていう程度の人たちの名前がぼんぼん出てきて、このひとの思想はこうだったけどアレだ、みたいな話をされても。いやまあもちろんそれを知らないあたしが悪いんですけどね。
それにしてもこれを読んでると、右翼とか左翼とか保守とかっていうのがいったい何なのか、よくわからんようになりますな。いや、もともとわかってなかったのだけど、わかってなかったことに気付いたというほうが正解かもしれない。
面白いのは、最近まともな「右翼」がいなくなって、中国や韓国をバッシングするだけの手軽な「ウヨク」ばっかりだ、ていうのは実は先日読んだ「帝国の時代をどう生きるか」に書かれていたことに通じるということだ。あの本にはポストモダン以降、知識人が「大きな物語」を作ることを放棄してしまった。そうすると、その隙間を排外主義などの稚拙な「大きな物語」が埋めてしまうようになる。そんなことが書かれていた。一般的に左派とみなされる姜さんと右派を自認するマサルちゃんが同じようなことを言っているわけですな。うん、なかなか面白い。
つまりそれだけ、いまの状況というのはどうもよろしくないということでもあるけど。