酢豚にパイナップルを入れることの是非。というのは、長らく激しい議論を呼んできた論件のひとつである。本件に関してわたくしは、断固として「ノー」、すなわち、酢豚にパイナップルなんぞ入れてんじゃねえぞこの糞野郎、という立場を貫いてきた。
しかるに本日、茨木が誇る中華の名店「うまいもんや しん」にてあれこれ貪り食っている時に、パイナップル入り酢豚が出てきた。こともあろうにパイナップルをくり抜いて作った皿に乗せて供されるという念の入れようである。
パイナップル酢豚排斥派に対して喧嘩を売っているとしか思えない所業である。がしかし、淀川以北でもっとも信用できる中華料理屋が満を持して提供する酢豚だ。ここはひとつ騙されたと思って。
というわけで食うてみたわけですが、これがまた美味いんですなぁ。急進的なパイナップル酢豚排斥派をだまらせる出来である。どうもパイナップルに火を通さないというのがポイントなのかもしれない。
とにかくこいつぁスゴい、いやー参りました、と店主のしんちゃんに言ったところ、「どうでもええねん、オレはパイナップル入りの酢豚はキライやから」と。
…そりゃねえだろしんちゃんよ。
しんちゃんは2月いっぱいぐらいで店を閉めると言っている。いま借りている店舗を、それぐらいまでに立ち退かねばならないのだ。まことに惜しいことである。しれっとどこか近くで復活し、営業してくれていることを切に願うのである。