「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」とは、プロイセンの鉄血宰相ことオットー・フォン・ビスマルクの有名な言葉だ。
言葉尻だけ見たら、経験に学ぶだけでも十分に賢いだろ、と思ってしまうのだが、彼の言わんとしているのはそういうことではないらしい。
いやまぁ、それは良いとして。
佐藤優が世界史を語る。いかにもありそうなのに今までなかった本だ。タイトルが「世界史の極意」ってのはちょっとばかしいただけないけど。何でもかんでも極意とか言うなよな、ってね。
何のために歴史を学ぶのか。歴史をアナロジカルにとらえることで、いま起こっていることを読み解き、間違った方向に進まないようにできるというわけだ。そう、歴史は繰り返す。はじめは悲劇として、二度目は笑劇として。とマルクスは言ったんだとか。いや、今の我々がおかれてる状況ってあんまり笑えないと思うけどな…
とりあえずそれは置いといて。
すごくよく似た事例なら良いけど、実はこれってけっこう難しいんじゃないかな。沖縄問題とスコットランド独立問題とウクライナ危機をアナロジカルに考えるなんて、後知恵ではああそうか、ってことになるけど、そう指摘されるまではなかなか思いつかないんじゃないか?少なくともそれなりの訓練を積んでないと難しいと思う。一見かけ離れたものどうしの間に相同性を見出すっていうのは、けっこう高いレベルの知性を必要とするはず。ま、だから教養として世界史を学ぶことは武器になる、と言ってるんだろうな。
ちなみに参考図書として山川出版社の世界史の教科書を挙げているけど、これわたくしも高校の時に使っていたのがやっぱり山川の教科書で、なんぼ読んでもちーとも頭に入ってこなかったんだよなあ(最近あらためて読み直してみたけど同じだった)。ただ最近は世界史AとBに分かれているようで教科書も変わったみたいなんで、多少は事情も変わったんだろうか?こちらの頭の出来に問題があるとすると、これはもういかんともし難いのだけど…