と、ちょっとみただけで何だかやたら面白そうな「陽気なギャングが地球を回す」。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2006/02
- メディア: 文庫
- 購入: 22人 クリック: 348回
- この商品を含むブログ (614件) を見る
寝る前に少しずつ読んでいたのだけど、この小説はそんなりまちました読み方をするべきではないな。いつも途中で気を失ってしまうので、どこまで読んだかわからなくなる。んでまあ週末に一気読みをしまして。いやー面白い。
異能っていったって、嘘をついているのがわかるとか、天才的なスリだとか、正確な体内時計を持っているとか、さらには超ホラ吹きでやたら口が上手い、と、いったい何の役に立つのか、てな能力ばかりだけど、これがまたストーリー上、実にキレイに役に立つのだな。銀行強盗チームのメンバーだけではない。かれらがヤバい仕事や怪しげな道具を外注している「田中」の作る道具がまた、とことん役にたたない。と思っているとこれが実は。というのが、いろんな伏線を回収しながら出てくるこの快感。そして、ムダ口だらけのセリフの応酬がまた、やたら楽しいのだなあこれが。
使い途はさっぱりわからないけれども、「いつか何かの役に立つかもしれないから」という予感で捨てずに持っておいたものをフルに活用して問題を解決していく。まさにブリコラージュですな。
続編も読んでみないとね。