『3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」成功への道』とはまた、何とも胡散臭いタイトルじゃないか。
3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」成功への道
- 作者: 島崎崇三宅孝之
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2017/05/13
- メディア: 単行本
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ビジネスプロデュース、つまり事業創造なんてのは、まあ大抵の場合うまくいかないものだ。理由はいろいろあるけれども、そもそもプランそのものの出来が良くない、というのが大きいと。ではそのプランニングはどうすりゃ良いのさ、という辺りからあれこれと書いてくれている。まずテーマというかターゲットというか事業コンセプトをどうするか。これには「社会的課題を解決する」という視座が必要であると。でこの「社会的課題」てやつの把握からして、考えが浅いと全然ダメ、てなあたり割と深く納得したり。
そしてこの本でもまたビジネスモデルの話が出てくるわけだけども、ちょっと面白いのは「フック」と「回収エンジン」というフレームで考えているところ。「フック」は顧客を引きつける仕掛け、「回収エンジン」は儲ける仕組み、だ。ざっくり言うと、フックと回収エンジンは、ビジネスモデルキャンバスのValue PropositionとRevenue Stream + Cost Structure、にそれぞれ対応するんじゃなかろうか。ひと昔前の、まだ人々が「愚」という貴い徳を持っていて、世の中が今のように激しく軋み合わない時代には、フックと回収エンジンはほぼ一体だった。しかし今やそれは別々に考えなければならない。そしてこの二つは遠ければ遠いほど良い、と。でこのフックと回収エンジンをつなぐのが戦略である、っちゅうわけですな。なるほどねぇ。その戦略の事例として紹介されるのが、インテル、ボッシュ、クァルコムのケース。あいつらこんな事しとったんかと感心した。いや、恐れ入りました。