野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

読書

目玉焼きには塩でしょうが

先日、繁昌亭の昼席へ行った時に聴いた噺の中に『多事争論』というのがある。目玉焼きにかけるのはソースと決まってるのにソースが切れてるとはどういうことや、とおっさんが怒るのだ。大阪といえばタコ焼きにお好み焼き。いずれもソースが欠かせない。そう…

文月と書いてふみかと読む

さる筋から「読んでみてください」と、この『うてるす』という本をお貸しいただきまして。 ちょっと長めの短編小説、表題作の『うてるす』と『駅前三丁目』の2篇。 うてるす、とはつまり子宮、ですね。その言葉に象徴されるように、良くも悪くも女性であるこ…

シカオくんES-335弾くのかね

まもなくWOWOWで連続ドラマ『プラージュ』が始まると。スガシカオが役者として出演、てことで注目しているわけですが、だいぶ前から誉田哲也さんによる原作が書店で平積みになってますな。プラージュ (幻冬舎文庫)作者: 誉田哲也出版社/メーカー: 幻冬舎発売…

メディア力とか言われると辛いんやでしかし

なんかアレですな、ぼーっとしてたら7月が終わってて、もう8月とかどういうことなのよ。 昼に無性にカレーが食べたくなり、わざざわ高槻の熱帯食堂まで行って、グリーンカレーのランチを食べた。 本当はインドカレーが食べたかったのだ、などと言っても始ま…

みんな死んじまっただ

先週鹿児島に出張した折に、赤兎馬を飲んだ。いやー美味いよね赤兎馬。さて、『泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部』文庫版、やっと出た。何年待ったことか。マクラ(?)は赤兎馬の蔵元のサンゴクシシャン疑惑だ。ちなみに赤兎馬は焼酎だが、臥龍梅という日本酒がある…

これってサバイバル?

英文では、butの後ろにその文の主張が来る。だから、butに注目すれば簡単にその主張を把握でき、効率的に英文を読むことができる。 なんていう説がまかり通っているが、実際に一定以上の知的レベルのネイティヴが書く英文なんてのはそんな原則に当てはまらな…

タマの取り合いやで

ヤハウェ大親分を頂点とするユダヤ組から、その任侠道の解釈に対して異議を唱えたヤクザのイエスが立ち上げた振興のキリスト組。イエスの死後、果てしなく繰り返されてきた抗争はまさにヤクザどうしの仁義なき戦いである。てなコンセプトの小説『仁義なきキ…

より近く、よりゆっくり、より寛容に

出てますねえ、水野和夫さんの新作『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』。さっそく読んでみましたよ。 閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 (集英社新書) 作者: 水野和夫 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/05/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2…

洋介には肉を食わせとけ

沼田まほかる作品といえば、一般には「イヤミス」に分類されるわけだけれども、『ユリゴコロ』はもう、読後感どころか読んでいる途中からすでに、イヤな感じというよりもとにかく禍々しい何かがじゅるじゅるとしたたり落ちる感じで、よくもまあこんな小説を…

走れハロウィン

北大路 ケメ子大先生がまた新刊を! いやほんと、昼間からおビール飲んで相撲見て連続ドラマに文句言ってるだけでも相当に多忙なはずなのに、こうやってちゃっかり仕事をなさっているのだな。流されるにもホドがある キミコ流行漂流記 (実業之日本社文庫)作…

少子化対策は舞踏会?

『エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層』なんていう本を鹿島茂せんせが書いていらっしゃる。この本を書店で見かけた時にまず、鹿島せんせ、あんたフランス文学者でしょ。トッドがまるで予言者であるかのようにもてはやされてるからってそんなもんネ…

コーヒーに蜂蜜とはこれいかに

『リバース』が連続TVドラマで放映中てことで、どこの書店に行っても原作が平積みになっている。それではひとつ読んでみることにしましょう。 リバース (講談社文庫) 作者: 湊かなえ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/03/15 メディア: 文庫 この商品を…

どいつもこいつもブルシット

ふと思い立ってエドワード・スノーデンについての本を読もうと思って調べたら『スノーデン 日本への警告』というのが出て来たのでKindleにダウンロードした。実はこれ、けっこう話題の書なのか。書店に行ったら平積みされてたし。スノーデン 日本への警告 (…

アマンダ大活躍

ちょっと軽いものが読みたいな、ということで『あなたは、誰かの大切な人』。あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫)作者: 原田マハ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/05/16メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る帯に書いてある文によると、疲…

少しは景気の良い話も聞かせてくれよ

トルストイは『アンナ・カレーニナ』の冒頭で すべての幸福な家庭は互いに似ている。不幸な家庭はそれぞれの仕方で不幸である。 てなことを言っている。会社が倒産する仕方というのも、実に様々なバリエーションがあることだなあ、と、『あの会社はこうして…

14番でビビらせて8番でヘタを打つ

『さよならドビュッシー』は、ユルい感じのタイトルのわりになかなか凄惨なお話だったと記憶している。主役ではないけれどもあの物語の中で重要な役割を演じたのが岬洋介。どうやら中山七里作品の中には彼を主役にしたシリーズがあるらしい。 でこの『どこか…

ミルトンdisられ過ぎだろ

数年前にブクレコに投稿した『経済ジェノサイド:フリードマンと世界経済の半世紀』という本のレビューを、本が好き!にコピペ投稿した。それに対して、宇沢弘文もフリードマンには迷惑していたらしい、てなコメントをいただいた。そこで紹介されていた『人…

お腹いっぱいになります

『大国の掟』を読んだ。イカついタイトルだ。大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす (NHK出版新書)作者: 佐藤優出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2016/11/10メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る世界情勢を読み解くには、歴史と地理に関す…

順番がわかりにくいのよ

『螻蛄』を「けら」と読むなんて、フリガナがないとちょっと無理だろ。 なんでもそういう昆虫がいるらしい。そして、一文無しのことを俗にこう言うのだとか。そうか、「おケラ」ってここから来てるのか。 怪しい建設コンサルタントの二宮とイケイケヤクザの…

で、どの辺がどうデザインなのかね?

最近では会社のエラいさんなんかが、デザインシンキングだなんだ、などと言い出して、ああ、デザインシンキングね、うんそうなのよ、デザイン思考だから、なんて分かったような顔をして適当にごまかすのもちょっと難しくなってきた。しかたがない、ここらで…

そんなやつほんまにおるんか?と改めて

『「意識高い系」の研究』?アホなことをやっとるな。と思いながらも、なんだか面白そうなので読んでみた。 「意識高い系」の研究 (文春新書) 作者: 古谷経衡 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/02/24 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) …

しかし昭和な会社ですな

TVで『白ゆき姫殺人事件』というドラマの予告編だか本編だかをやっていて、チラッと見たらなんとなく面白そう。あ、湊かなえ原作ですかなるほど。じゃちょっと読んでみよう。てなわけで。 白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫) 作者: 湊かなえ 出版社/メーカー: 集…

せっかく帰ってきたのにね

『アメリカン・スナイパー』はなんともヘヴィな映画だった。あれはあれで原作があるようだが、どうやらかなり関連がありそうなのが『帰還兵はなぜ自殺するのか』だ。数年ほど前に話題になった本だが、あの映画を観たのを機に、読んでみることにした。帰還兵…

The Damned Don't Cry

誉田哲也の新刊が出ているではないですか。『歌舞伎町ダムド』というタイトルから、あのシリーズの続編だなこりゃ、ということで特に吟味もせずに購入した。 歌舞伎町ダムド (中公文庫) 作者: 誉田哲也 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/02/21 メ…

ワンダーとシンパシーってやつですよね

お笑い芸人の書いた小説が芥川賞を取った、と話題になった『火花』については、まあそのうち文庫になれば読んでみてもええかな、ぐらいなつもりでいた。なんでも最近ドラマ化されたようで、おまけに原作も文庫化されてしまった。じゃぼちぼち読んでみるか、…

篠川さんちはそうめんに天ぷらが付くらしいよ

ああまた『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズの新作が出ている。今度は『栞子さんと果てない舞台』。ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)作者: 三上延出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2017/02/25メディア: 文庫…

これが昭和テイストか

どこのどいつか知らんが、『ビジネスエリートの新論語』なんて、また小賢しい本を出しやがって。こうやって利いた風なことを抜かす奴らが幅を利かしているのを見て苦々しく思う今日この頃。どれ、誰が書いたんだこれ。なに、司馬遼太郎?ああごめんなさいご…

そしてイーヨーも

高校生とか大学生のころ、大江健三郎の小説をあれこれと読みあさったものだ。それらの小説には必ずと言っていいほど、「壊す人」、「オシコメ」、「亀井銘助」といった人物が登場する、「谷間の村」に語り継がれる不思議な物語が引用される。 とはいうものの…

アレとコレとかき集めてがっちゃんこして一丁あがり、てか

世の中に異変が起これば、それは商売のチャンスである、と考える人々というのがいる。先般の、変な髪型したおっさんが大統領になったという事件についても、これに便乗してひと儲けしてやろうと目論む連中が後を絶たないわけだ。で、例えば『トランプは世界…

泣ぐ子いねが

NHKの『100分de名著』の『野生の思考』編を観ていたら、『火あぶりにされたサンタクロース』なんて本が紹介されていた。なんだおい、そんなの知らんぞ、要チェックやんけ、と思っていたところに、先日の『回・転・展』の会場で売っていたのでさっそく買い求…

相変わらずてんこ盛りですなあ

さてたまには内田せんせの本も読んでおこう。 てことで新書になった『街場の共同体論』。潮新書 街場の共同体論作者: 内田樹出版社/メーカー: 潮出版社発売日: 2016/12/29メディア: 新書この商品を含むブログを見る共同体を維持していくには、その中にだいた…

んなもんわかりゃしねえよ

世の人もすなる◯◯といふものを、我もしてみむとてすなり。というタイプのエッセイみたいなものというのは、けっこう多いように思うのだ。で、この◯◯の部分が、まあ普通の人ならやってないはずがないよね、てな事なのにやったことがない。そこにちょっとダメ…

ミスジ美味いよね

『漁港の肉子ちゃん』ってまた、すごいタイトル。漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)作者: 西加奈子出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2014/04/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (17件) を見る肉子ちゃんの本当の名前は菊子だけれども、それを知っている人は…

人類はみな兄弟とか言ってたし

誰しも生物学上の母親と父親がおり、その父母にもやはりそれぞれ母親と父親がおり、以下同文。と考えると、その数は40代ほど遡っただけで1兆を超えてしまう。んなアホな、とは思うが、この理屈のどのあたりがどういう風におかしいのかをうまく説明できず、ど…

ユルいアントレプレナー

ミシマ社という出版社については、少しだけ聞いたことがある。なんだか面白そうな本を出している、ちょっと変わった出版社だ。そして社長の名前は三島邦弘、そのまま社名になっているのだな。 その三島さんがミシマ社について書いた本が『計画と無計画のあい…

お嫌いですか?お好きです

『ヤッさん』というとつい、「怒るでしかし!」とか「めがねめがね」なんて連想してしまうんだけども、もちろんそういう話ではなく。ヤッさん (双葉文庫)作者: 原宏一出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2012/10/11メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含む…

天網恢恢疎にして時折漏らす

伊坂幸太郎の小説は表紙のデザインも良いなあ、と思う。文庫化された『首折り男のための協奏曲』を読んだ。首折り男のための協奏曲 (新潮文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/11/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る長…

けったいなおはなし

ニットキャップシアターが公演で『ねむり姫』をやったという。残念ながらわたくしは観ることが叶わなかったのだが、せめて原作でも、ということで。ねむり姫 澁澤龍彦コレクション (河出文庫)作者: 澁澤龍彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/02/15…

ちょっとしつこいですか

『本日は、お日柄もよく』は初めて読んだ原田マハ本だ。数ヶ月ほど前から、書店で妙に目立つなと思っていたら、ドラマ化されるのだと。では改めて読み返してみましょう、ということで。本日は、お日柄もよく (徳間文庫)作者: 原田マハ出版社/メーカー: 徳間…

To make a long story short

ずいぶん長い時間をかけて全4巻の『第二次世界大戦』をすでに読んだのだから、もうええやん、てなもんだが、やはり気になるので『第二次大戦回顧録 抄』も読んでみた。第二次大戦回顧録 抄 (中公文庫―BIBLIO20世紀)作者: ウィンストンチャーチル,Winston Chu…

セバスチャンの棄教

マーティン・スコセッシが『沈黙』を映画化するという。なんてこった、あんなもんどうやって映画にするんだ。と思ったが、いやまてよ、そもそもあの原作って読んだことあったっけ?と正月に実家の本棚を漁ってみたが見つからない。読んだこと無いんやんけ。…

国民的作家は中二だってカバーするのだ

『風神の門』下巻に入ると、「謎の技を駆使する風魔の集団・伝説の忍者獅子王院との忍術合戦」(Wikipediaより)てなことになり、これはもういよいよ少年ジャンプ的展開。中2のときに読んでいたらもうすっかりハマっていたかもしれんなあ、と思いつつ苦笑す…

そんなことがありましたよね

どうやら北方領土なんてとても戻ってきそうにないですね、という昨今。あらためて『国家の罠』を読み直した。国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―(新潮文庫)作者: 佐藤優出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/09/11メディア: Kindle版この商品を含む…

木野で飲んでみたいよね

『女のいない男たち』が文庫化されましたですね。女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/10/07メディア: 文庫この商品を含むブログを見るこのタイトル、実はヘミングウェイの短編集からとったんですな。…

養老せんせも相変わらずですね

1932年に国際連盟が、「いま最も重要を思われるお題について、議論したい相手を選んで手紙を書いてください」とアインシュタインに依頼したところ、「戦争」というテーマで、相手には精神分析学者のフロイトを選んだのだそうだ。その往復書簡が『ひとはなぜ…

ノーベル化学賞とは別の人ですよ

たぶん中学校の社会科の授業あたりで昭和史みたいなものがちょこっとあって、1950年代の後半から1970年代にかけて高度経済成長の時代があった、と習ったのだと思う。そのころ池田勇人首相が所得倍増計画というのをぶち上げて、んなアホな、と言ってたけれど…

さりげなく藤原先生も登場してますね

何かのはずみで、Kindleストアのおすすめに出てきた『現代思想の遭難者たち』なんて本をついポチっとやってしまった。いや、何となく面白そうだったんで。現代思想の遭難者たち (講談社学術文庫)作者: いしいひさいち出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/05…

アートの島なんだから別に来なくても良いじゃないか

個人的に007祭りを開催中なんであるが、それならばぜひ、とさる方が勧めてくださったのが『ジェームズ・ボンドは来ない』という小説だ。ジェームズ・ボンドは来ない (角川文庫)作者: 松岡圭祐出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2015/11/25メディ…

どてやき本日で終了です

日曜日に作ったコンフィをちょっと試食してみた。 うむ。美味いなこれは。ところで、『小説家という職業』が文庫化されましたな。職業としての小説家 (新潮文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/09/28メディア: 文庫この商品を含むブログ…

You can't always get what you want

実は先日の『問題は英国ではない、EUなのだ』と併せて『グローバリズム以後』も買っていたのですよ。 これまたエマニュエル・トッドへのインタビュー(こちらは短めのものが多い)を集めたものだが、まあだいたいトッドの主張するところはそう大きくは変わら…